再び映像を挟み、グレーのスーツ姿になって会場後方から現れた2人は、『Truth』を歌いながらムービングステージに乗ってセンターステージへ。そこで、2005年にリリースした楽曲『My Destiny』を2人だけで歌い上げる。当時のMV映像をほうふつさせるように、スクリーンに映る写る2人に雨が降り注ぐ。当時の2人はまだ若過ぎて表現しづらかった恋の切なさを切々とつむぐユンホとチャンミン。いくつもの困難も乗り越えながら、大きく成長した2人に、観客も惜しみない拍手を送った。

ここからは恒例のちょっと長めのMCタイム。観客を席に座らせると2人の夫婦漫才のようなやり取りも織り交ぜながら、ゆったりとしたトークタイムを繰り広げる。今回のツアーのコンセプトとその軸となっているアルバム『XV』についてや、15周年という月日への感謝の想いなどを伝える。さらには観客を巻き込んで、お互いに感謝の言葉を言い合うコーナーも実施。5万人を超える観客の中から、ユンホとチャンミンが指名した各1名とトークをするというサプライズもあり、大いに盛り上がる。このパフォーマンスとMCの緩急も彼らのライブの大きな見どころだ。

MCでの緩んだ空気を徐々にライブモードに戻すにはぴったりのポップな『Everyday』では、歌詞を表現する演出とともに楽しさを満喫。一転、巨大ビジョンに雪が降るような映像が映し出されると、ピアノとストリングスの音色に合わせた2人の切ない歌声が際立った『雪降る夜のバラード』を熱唱。歌でも緩急をつけて観客の心を揺さぶると、ライブもいよいよ後半戦に突入する。

イントロを聴いただけで体が思わずリズムを取り出してしまう『B.U.T(BE-AU-TY)』で、黒のレザーコートを羽織った2人がポップアップで登場。観客の『HEY!』のコールもぴったりと合い、これぞ東方神起というダンスとチャンミンの高音ボイスでラストスパートの口火を切る。

カメラ目線のキメ顔の2人に何度も観客から歓声が上がった『Hide & Seek』からバンド&ダンサー紹介を挟んで、昨夏を盛り上げたご機嫌な夏曲『Hot Hot Hot』を含むメドレーへ。巨大なドームを左右に広がるメインステージ、トロッコ、ムービングステージと使いこなして、自分のすぐ近くまでやってくる2人に観客は大興奮。

さらに衣装を赤のパンツにフリンジのついた黒のジャケットから、ゼブラ柄のセクシーなシャツに着替えると、彼らの魅力を詰め込んだパフォーマンスで観客を興奮を越した陶酔へと誘う。真っ赤な光を背中から当てて、敢えてそのシルエットだけを浮かび上がせるという焦らした登場をした『Guilty』。音源で聴いた時から2人の男らしさを引き立てる曲だと思っていたが、イントロと間奏にさらなるアレンジが施され、そこに2人のキレのあるダンスパフォーマンスが加わった“完成形”はもはや別格。歓声を忘れてため息が出てしまうくらいの完成度の高さだった。