母子、友情、師弟愛まで! 濃密なドラマ作りが神!

細田作品が幅広い世代に愛される最大の理由は、観客の心を動かすドラマにあります。

「バケモノの子」©2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

『時をかける少女』では青春まっただ中の少年少女の淡い恋を、『バケモノの子』では種族を超えた師弟関係を、そして『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』では、決して切れることのない家族の絆が、多くの観客を魅了しました。

ジャンルや描き方は変わっても、細田作品の根底にあるのは人と人との関係性であり対話です。大きな脅威に対して悩み苦しみ、諦めずに立ち向かう主人公、そしてそれを支える周囲の人々。

両者が心の通じ合わせる瞬間、想いが届く瞬間がとても大切に描かれています。

特に『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』や『サマーウォーズ』で、ネット空間で戦う主人公たちに世界中から続々とメールが届くところや、猪王全との決闘中の熊鉄を叱咤する九太など、誰かが誰かを応援する場面は細田作品の中でももっともカタルシスが高まるシーン。

涙腺崩壊に注意!

今回の東京国際映画祭では、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』の代表作に加え、初期作品をまとめた『作家性の萌芽 1999-2003 (細田守監督短編集)』や昨年NHKで放映された『プロフェッショナル 仕事の流儀 アニメーション映画監督 細田 守の仕事“希望を灯す、魂の映画”』なども上映されます。

「おジャ魔女どれみドッカ~ン!(40話)」©東映アニメーション

中でも初期短編集に収録されているおジャ魔女どれみドッカ~ン!(40話)「どれみと魔女をやめた魔女」)』が大スクリーンで観られる点はさすが映画祭ならでは。本作で描かれた女児向けアニメとは思えない哲学的なテーマは、のちの『時かけ』に繋がったとも言われているんですよ〜。

これまで細田作品を観たことのある人もない人も、ぜひ訪れて欲しい好企画。神表現の数々をとくとご覧あれ!

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©2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS
©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
©「時をかける少女」製作委員会2006