両社が独占販売の果実を得られるのか

競合店より1円でも安ければ値引きやポイント還元で対応する「安心価格保証」をうたうヤマダ電機に、製品を戦略的に供給しないメーカーは少なくない。エアコン専業メーカーのダイキン工業などは有名だ。

ヤマダ電機と船井電機は10月27日、「FUNAIブランド」の液晶テレビとブルーレイレコーダーに関し、国内独占販売の基本合意を締結したと発表。2017年春からで店頭での販売を開始する。国内メーカーと同程度の機能を搭載した低価格モデルになるという。

ヤマダ電機にのみ独占的に製品を供給するという、ダイキン工業などとは異なる逆張りの戦略だ。

メーカーは、製品をより多く販売しようと、多くの流通チャネルに製品を供給するのが一般的だ。しかし、スケールメリットによる仕入れ値交渉を求める巨大流通チャネルに対して値崩れを警戒する。それが、売上高で家電量販店首位のヤマダ電機に対し、製品を供給しないという現象を生む。

では船井電機はなぜ、ヤマダ電機に独占的に製品を供給するのか。その狙いは、独占供給することで、ほかの流通チャネルとの価格競争をなくすことにあるのではないか。結果的に、低価格モデルでも、さらなる値崩れが起きにくくなる。

ヤマダ電機にとっては、国内メーカーがテレビ市場から撤退したり、ラインアップを絞り込んだりするなか、品揃えの強化につながる。両社が独占販売の果実を得られるか。来春以降の動向が注目される。(BCN・細田 立圭志)

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