教育費は幼稚園から大学まですべて公立でも一人あたり1,000万円かかるとも言われています。

子どもが小さいうちから準備をしていくことが必要ですが、場合によっては自分の親(祖父母)から学費の援助を受けることもあるかもしれません。

その一つの方法として教育資金の一括贈与について知っておきましょう。

1.教育資金の援助を祖父母から受ける時には?

基本的に個人から年間110万円を超える金銭などの財産をもらった時には贈与税がかかります。

ただし、父母や祖父母といった扶養義務者から生活費や教育費に充てるために必要な都度受けた財産(以降「その都度贈与」とする)については贈与税がかからないことになっています。

つまり、今回は「祖父母などからの教育資金の一括贈与に関する贈与税の非課税制度」の話をしていくのですが、その制度を使わなくても教育費を援助してもらうときに贈与税はかからないのです。

それでも知っておいた方がよい教育資金の一括贈与について説明していきます。

2.祖父母からの教育資金の一括贈与のメリット

教育資金の一括贈与のメリットは、先々でかかる分まであらかじめ渡しておけることです。

教育費がもっともかかるのは大学等の高等教育の時期ですが、その都度贈与だと実際に入学金や授業料を振り込む時にならないと、そのお金を渡せません。

出産年齢が高くなってきている現在では、大学等の費用を援助しようと考えていても、受け取る孫がまだ幼く、その学費を支払うのは何年も先ということも多いでしょう。

それまで変わりなく元気でいればその都度贈与でも構わないでしょうが、その間に亡くなってしまったり自分で動き回ることが難しくなってしまったりしていたら、せっかく援助しようと思っていてもそのお金がうまく渡らないかもしれません。

祖父母等からの教育資金の一括贈与では、その子が大きくなって大学等へ通うころまでの教育資金を、あらかじめ援助したい孫名義の口座に1,500万円まで贈与税がかからずに渡してしまうことができるのです。