「アヤパン」の愛称で親しまれる元フジテレビのアナウンサー・高島彩さんは、2006年から始まった「好きな女性アナウンサーランキング」で5回連続第1位に輝き、幅広い世代から人気の高いフリーアナウンサーです。

2011年にミュージシャン・ゆずの北川悠仁さんと結婚し、2014年に長女を、2016年に次女を出産しており、その育児エッセイが一冊の本『彩育 伝える、変わる。』(KADOKAWA)として発売されました。

母親となった彩さんの柔らかな表情と、家族を想う温かい文章が印象的なこの一冊。華やかな女子アナの世界で生き続けながら、人から愛される要素を持っている彩さんの子育ては、どんな様子なのでしょうか。

「女子アナの生活なんて、フツーの私とはかけ離れているわ!」と思う方も多いでしょう。しかし、母になって初めて感じる驚きや、生活の変化、子どもへの愛情などは、どんな境遇にいてもまったく同じ。

言葉や感情を伝えるプロが綴る分かりやすいエッセイなので、読みやすいですよ。本書から内容を少しだけ紹介します!

1: 出ないおっぱいに悩む“ママの奮闘”から始まる

どんなお母さんも、子どもを出産したその日からママ1年目がスタートします。他人から何でも器用にこなしているように見える人でも、子育てには必ず戸惑いの日々が訪れるのです。

彩さんの場合は「思い返すと、長女出産後の3ヶ月間が一番つらかったかもしれません」という言葉でエッセイが始まります。なかなか出にくい母乳を必死に飲ませ、母乳育児推奨のムードに追いつめられていた時期の気持ちが綴られています。

2: 働くママの悩み“仕事と子育ての両立”について

長女出産後8ヶ月で仕事復帰した彩さんは、なんと次女のときは産後1ヶ月半で復帰したそう!

ご本人も「我ながら、相当早いと思っています」と話していますが、第一子のときには、片時も離れたくないという気持ちから復帰を3ヶ月延期するほどに、心配性だったようです。「仕事と子育ての両立を実際に経験してみて、手の抜き方を覚えた」と綴っています。

一方で、早い時期の仕事復帰に対する世間の目が厳しいことに対する覚悟も。

「子育てってみんなが大変で必死で日々挑戦で、この上ない幸せであることを、お母さんは知っている。(中略)私たちの宝物である子ども一人一人の個性を尊重するように、母親の生き方も、もっと自由に選択できる社会になることを願っています」

自分の環境が変わることで、社会全体のことを広く考えられるようになるのは、どのお母さんも同じですね。