「賢章なら良いバランスでやってくれそうだな、と」(水島)

―― 他のキャストさんが演じるキャラクターで、特に気になるキャラクターは?

山寺:全員! 今回登場人物も少ないし。入れ替わり立ち替わり関係性を見せていく形になるので……全員気になる登場人物です。

―― 小野さんは今回のキャストの中で唯一前作からの続投ですね。

小野賢章 撮影:tama

山寺:そうですね! でも、役柄が前作とは全然違うので、どういう風に演じてくれるかが非常に楽しみですね。

水島:ボビーを演じるのにあまりにもリアルな人だと、面白くないと思うんですよ。かといってあんまり作り込んでも面白くないし、賢章なら良いバランスで不思議な感じでやってくれそうだな、と思って。

あとは、山ちゃんがスフィアのふたりと重婚するっていうキャスティングは面白いなぁ、と思ってニヤニヤしています(笑)。同じグループのふたりと重婚しちゃうんですから! そこも見どころです。

高垣彩陽 撮影:tama
寿 美菜子 撮影:tama

―― 最後に、おふたりの思うコメディの魅力を教えていただけますか?

水島 裕 撮影:tama

水島:やっぱり、“笑い”ってハッピーじゃないですか? 他の芝居は他の芝居で、重くても、悲しくても良いんだけど、じゃあ自分たちは何を楽しいと思うか、何をやりたいかと考えたときに、コメディなんですよね。客席の笑顔とか、自分にとってはすごく魅力だし。

特にレイ・クーニーの作品は、演者みんなのリズム感とかチームワークが命だったりするんです。それが、うまくいったとみんなが思えたときのあの快感も、コメディの魅力なのかな。

あとは、コメディの突き抜けてハッピーな感じが好きなんですよね。

山寺:“笑い”ってひと言に言っても、お笑い芸人みたいに笑いだけをとにかく追求している人たちもいるわけじゃないですか? 落語も笑わせるのがひとつの命題にもなっているし……。“笑いを問う”なんてことは、とても難しいことであって。

笑わせようと思って笑わせにかかってるのを観ても、意外と人間笑わなかったりするものであって……ハッキリ言って、レイ・クーニーのコメディとは「そんなバカな!」なんですよ。お客さんすらもうまく「そんなバカな!」に巻き込んで、違うところに連れて行くというか。「なんか笑っちゃったよ!」って言ってもらえる、こちらの意図をそんなに見せずに笑ってもらったときは、本当にやりがいがあるんですよね。

山寺宏一 撮影:tama

きっと、笑いは明日への活力になると思うので。もちろんドキドキだって涙だって、明日への活力になるだろうけど……やっぱり笑いが一番、いろんなことを忘れてストレス発散したり、イヤなことを忘れられたりするものだと思うんです。元気になれるんですよね。

水島:前作のときも、実際「これで明日からまたがんばれます」って、メッセージをもらいました。そういうことを言ってもらえると、心からうれしいですよ。

前作のとき、一番仲が良い歌手の新沼謙治さんが観に来てくれたんですけど……今作の話をしたときに「裕ちゃんたちの舞台、面白いから観に行くよ!」って言ってくれたんです。それはプレッシャーにもなるけど、励みにもなるじゃないですか。

とにかくラフィングライブの芝居は、面白いっていう概念が崩れないように、常にがんばらなきゃいけないな、とは思っています。

山寺:笑ってる間に終わっちゃったな、って思ってくれる芝居になると良いな。面白いものって、すごく時間が短く感じるからね。現代人はみなさん忙しいのに、それを時間作ってお金払って観に来てもらうわけですから……。

水島:とにかく、キャスト・スタッフ含め、皆さんに楽しんでもらいたいと思っています。なので、ただの観劇にならないように、会場で“ラフィングライブという空間を楽しんで”もらいたい。ラフィングライブを観に来るという行為自体がテーマパークに来るように感じてもらえるように、色々と考えています! 劇場に来るのが楽しみになる舞台を作れるよう、がんばります!

 

ラフィングライブ第二回公演『Run For Your Wife』チケット発売中!

公演期間 2016年11月30日(水)~12月4日(日)
会場 Zeppブルーシアター六本木 (東京都)

[作]レイ・クーニー
[翻訳]小田島雄志 / 小田島恒志
[演出]野坂実
[出演]山寺宏一 / 高垣彩陽 / 寿美菜子 / 岩崎ひろし / 高橋広樹 / 小野賢章 / 横田健介 / 水島裕

 フリーランスエディター・ライター。原宿系ファッション誌の編集者などを経て、2014年独立。ファッション、アニメ、マンガ、ヴィジュアル系、腐女子などのカルチャー分野について執筆。