3:「二十四時間、一緒にいることはないのよ」

朝早く保育園に預けて、慌ただしく仕事に出かけ、お迎えも時間ギリギリ。ご飯を食べたらすぐねんねの時間で、全然子どもと一緒にいてあげられなくて申し訳ない...…。

働くママはそんな気持ちを抱えてモヤモヤすることが多いはず。

しかし、中川さんは、

「お仕事を持って働いているお母さんが時間を大切に有効に使っていることや、離れていてもいつも子どものことを思っていることは子どももわかっています。

たとえ、一日のうちで一緒にいない時間の方が長かったとしても、母と子の信頼関係は揺らぎません。」

出典(『子どもはみんな問題児。』 著・中川李枝子)

と語ります。

いつでも一緒にいることだけが親子にとって大切なことではない、実は仲間同士で関わる時間が大切だったりするものです。

仲間たちと全力で遊んで、お迎えに行ったら笑顔で真っ先にママめがけて走ってきてくれる、そんな姿を見れば、ずっと一緒にいることができなくたって子どもの毎日がどれだけ充実してものなのかを感じることができますよね。

4:「ナンバーワンはお母さん」

いつも家では怒ってばかりで、お風呂もねんねもパパをご指名。そんな状況に、小さな頃はママ大好きだったのに...…。そんなふうに落ち込んでしまうこと、ありますよね。

「十七年間保育園に勤めて何がわかったかと言いますと、子どもはみんなお母さんが大好きということです。

どの子もみんなかわいくて、帰宅させるのが惜しいほどの日々。三六五日、朝から晩まで子どもを預かっていたいくらいなのに、私は絶対ナンバーワンになれませんでした。」

出典(子どもはみんな問題児。』 著・中川李枝子)

そう中川さんが言うように、どんなに叱られても子どもはみんなママのことが一番好きなのです。「そんなことしたらママが悲しむよ」「ママが喜ぶよ」そんな一言が一番子どもには響くのだそう。

「あれ? なんだかいつもと違うな?」と思ったときに「ママに会いたい?」と聞いて頷いたら、具合が悪いサイン。

どんなにたくさんの人に可愛がってもらい多くの愛情を受けても、やっぱり子どもにとっていつでも揺るがないのはママが大好きということ。

いつでも一番愛情を注いでくれるのはママだということを、子どもはわかってくれているのです。

5:「どの子もみんなすばらしい問題児」

親はいつだって自分の子どもを心配するがゆえ、一度「うちの子ってなんか変かも?」「周囲に迷惑をかけているかも?」「こんなことしてたら友達に嫌われちゃうかも?」などと考えてしまうと、止まらなくなりますよね。

でも、よくよく考えてみてください。自分自身が子どもだったとき、「心配も迷惑も全然かけたことがない!」と胸を張って言える人はいるでしょうか。

「そもそも子どもというのは欠陥だらけで、自分なりにいい子になっていこうと悪戦苦闘のまっ最中なのではないでしょうか。だから純情でかわいいのだと私は思います。」

出典(子どもはみんな問題児。』 著・中川李枝子)

そう中川さんが語るように、子どもはいつでも周囲の助けを借り、トライアンドエラーを繰り返しながら、成長している真っ最中。

暴れん坊も、聞き分けの良い子も親心をかき乱す問題児です。

自分の子どもだけではなく、いい子そうに見える子だってみんなそれぞれ親を悩ませて心配をかけている、でもきっとどんな子でもいつの間にかママもパパも追い越して自分なりに立派な大人になっていくのですよね。

そう考えると、成長過程の子どもの今を愛おしく思うとともに、元問題児だった自分自身の人としての成長にも自信を持つことができるはず。

いつも子どもには困らせられてばかりでうんざりしちゃう...…。毎日の忙しい日々の中で一生懸命育児をしているママが、そんな気持ちになるのはきっと当たり前のこと。

『子どもはみんな問題児。』タイトルを見ただけでもちょっとホッとしてしまう中川李枝子さんの著書は、育児に新しい視点を与えてくれるとともに、「うちの子って保育園、幼稚園の先生にこんなに愛されて過ごしてるんだ!」と、親を取り巻く周囲に対する見方も変えてくれます。

いつでもママを悩ませてくれる「問題児」をより愛おしく感じ、ママとしての自分にも自然と自信が湧いてくる一冊ですよ。

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。

「ハピママ*」更新情報が受け取れます