左から、西山明宏、椎木樹人、川口大樹、横山祐香里 左から、西山明宏、椎木樹人、川口大樹、横山祐香里

福岡を拠点に活動する劇団万能グローブガラパゴスダイナモス。“ある一定の状況下でもがく登場人物の葛藤やフラストレーションを、あくまでポップに笑いに昇華させるシチュエーションコメディ”を持ち味に幅広い層から支持を受け、活動も11年目を迎えた。そんな彼らが年末からツアーを開催。公演を前に、脚本・演出の川口大樹、役者の椎木樹人、横山祐香里、西山明宏に話を聞いた。

劇団万能グローブガラパゴスダイナモス チケット情報

今回の作品「月ロケット」はモチーフが“人間の欲望”。「とある場所に悪魔に誘導されて集まってきた人間たち。彼らは夢を追っているんですけど、そこに『寿命を払ったら、願いを叶えてやるぞ』と悪魔が提案してくるとこから始まるストーリー。最初は『とんでもない!』という反応していても、欲望に負けて『寿命5分だったら…』とか思い出す。で、30分払ったらここまでできるのか、1時間払ったら、3日払ったら…みたいに、どんどんエスカレートしていく。でも、それを深刻に描くのではなく、あくまでコメディに仕立てたいなと思っています」と、川口。その言葉を受け、旗揚げから役者として活躍する椎木が「言うなれば“寿命ガチャ”。でも、だんだん体調が悪くなるとかだとキツいですよね」と苦笑。観客も「そんなものに引っかかるなんて」と笑いながら観ている内に、自分の中の欲望や悪魔的部分に気が付き、ちょっとゾッとする部分もあるかもしれない。「人間の欲望は深いですからね。知らず知らずの内に、悪魔に翻弄されてしまう部分はあるんじゃないかな。その辺りも楽しんで頂きたいですね」(川口)

結成10年を経て、今なお進化中の彼ら。今回は福岡、東京、宮崎の他、初めて上演するという熊本を含めての4都市ツアーだ。「うちの劇団は“劇を創る”事だけでなくて、“お客さんが劇場に来て楽しむ空間を作る”というところにかなり力を注いでいるんです。演劇に苦手意識がある人にこそ、観て欲しい」(川口)「福岡・東京・宮崎・熊本、それぞれの宣伝チームでブログの閲覧数を競う「G-1杯」も開催したり、ガラパらしさ全開で盛り上がってます。これも劇場に導くまでの期間の楽しみ方ですね。そういう試みが、作品を創る勢いにも繋がってくると思うので、楽しみにしていてください」(椎木) 「面白い作品を創れば、場所はどこであっても通用すると思うので、初の熊本公演も楽しみです」(横山)。そして、本公演への参加は今回が初だと言う西山は「今回の公演が自分のオーディションのような気持ちで頑張ります」と、それぞれ意気込みを語った。

公演は12月2日(金)・3日(土)熊本市男女共同参画センターはあもにい 多目的ホール、12月7日(水)~18日(日)福岡・ぽんプラザホール、1月7日(土)~10日(火)東京・駅前劇場にて。チケットは発売中。