時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム』より 時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム』より

川本成が主宰の劇団「時速246億」の最新作『バック・トゥ・ザ・ホーム』が、11月18日に開幕した。

時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム』チケット情報

毎回、バラエティ豊かな作家、演出家、出演者を招く「時速246億」の公演。今作は、作・演出に“見た後に何も残さないバカにこだわったコント”を続ける「男子はだまってなさいよ!」の細川徹とタッグを組んでのSFコメディだ。さらに出演は、和田琢磨、高橋良輔、平子悟、アイアム野田(鬼ヶ島)、小野坂昌也、そして川本と、舞台はもちろんお笑い、声優と幅広いジャンルのキャストが集結。この作品でしか見られない顔ぶれとなった。

物語は、道路に飛び込もうとする和田(和田)に川本(川本)が思わず声をかけるところから始まる。「死なせてくれ」と暴れる和田に仕方なくビールを手渡す川本……翌朝、ふたりが二日酔いになりながらも目を覚ますと、なんと宇宙船の中だった!

あっという間の2時間。むちゃくちゃな展開に、とにかくゲラゲラ笑ってしまう。それぞれの役柄も絶妙で、和田は暗いし、高橋はチャラいし、宇宙人のふたり(平子、野田)は気弱でかわいい。普段のイメージとのギャップが楽しく、けれどしっかりハマっている。さらに、舞台以外でも共演の機会が多い小野坂と川本のコンビネーションも抜群! コメディのテンポや間合いの良さは言う間でもなく、なにより最初から最後まで出演者がみんな楽し気で、劇場にその空気が充満している。要所要所で入る根本宗子の声もスパイスだった。

観劇後も楽しい余韻が続く作品。ぜひ劇場で体感してほしい。時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム』は11月27日(日)まで、東京・赤坂RED/THEATERにて。

取材・文:中川實穗