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もう一つの実験結果が同書で紹介されています。

ピッツバーグ大学のマルガリータ・スヴェトローヴァ教授らが、大人が風邪をひくふりをする実験を行いました。大人の風邪に気付き、子供の手が届く距離にあるブランケットを届けるかを調べました(大人の手には届かない)。

子供たちは、どれほどの情報があったら、ブランケットを取ってくれたのでしょうか。下記は同書に記載されているサイン。

  1. ジェスチャー:「ブルブル」と言いながら身震いし、手をこすり合わせ体を抱きすくめる。
  2. 状態を言葉で説明する:「寒い」
  3. 必要なモノの要求を言葉にする:「体を温めるものがほしい」
  4. 必要なモノの名前を言う:「ブランケット!」
  5. 言葉を用いずに要求する:子どもを見て、ブランケットを見て、ふたたび子どもを見る
  6. さらに明確に、言葉を用いずに要求する:ブランケットを指し示して合図する。
  7. 要求を言葉で示す:「私を助けてくれる?」
  8. 具体的な要求を言葉にする:「私にブランケットを持ってきてくれる?」

出典(『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55』)

様々な段階にわけて大人がサインを発信。子供たちはいったいどのタイミングで行動に起こしたでしょう。

お友だちに「はい、どうぞ」ができなかった1歳半の子供は、6.の、「さらに明確に、言葉を用いずに要求する:ブランケットを指し示して合図する」で反応しました。2歳半ともなると、2.の「状態を言葉で説明する:「寒い」」でブランケットを持ってきてくれたのです。

この実験からわかるのは、子供たちは、「はい、どうぞ」など、シェアや手助け、協力ができないのではなく、「他人の心情についての明確な指示が必要」ということ。

本能的には協力ができるのですが、他人の心の情報が少ない場合、なかなか大人が求めるような行動にうつせないのです。

同書では、子供がおもちゃを取られた時、親がすべき行動を紹介しています。

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まずは、「何もしない」。お互いの保護者同士で歩調を合わせていれば、あえて親は介入しないのが一番。子供たちの取り合いは、意外と子供たちで解決することも。

また、上記の結果から「具体的に指示を出す」ことも大切。お友だちがおもちゃで遊びたいことを教えてあげ、貸せるかどうかを聞く。

もし、うまく貸せたら褒めてあげることも大切です。貸せなくても順番を待つことを教えてあげます。

逆に、スムーズに貸せなかったり、順番が待てずに怒り出してしまったら、その気持ちに共感して、気をそらしてあげてもいいですね。

いずれにしても、何も情報のない中でおもちゃの取り合いが始まった場合、「はい、どうぞ」と解決することはほぼありえません。

ですが、しっかりと、お友だちも貸して欲しいと思っていることや、先に遊んでいたのはお友だちであるという情報を届けることが大切なのです。

子供たちは、「はい、どうぞ」など、シェアや手助け、協力ができないのではありません。他人の心情についての明確な指示があれば、それなりに反応してくれるということを覚えておきましょう。

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