年間1位の浦和レッズが順当に頂点に立つのか、年間3位の鹿島アントラーズが下克上を果たすのか。ホーム&アウェイで開催される『明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ』決勝で、タイトルの行方が決まる。
「自分たちのサッカーをすれば、結果は付いてくる」
決戦を前に浦和の選手たちは、こう語る。今季、浦和はGKや最終ラインからパスを組み立てる攻撃サッカーで、歴代最多タイとなる勝点74を積み重ねた。どこが相手だろうと、ボールを保持し、相手の守備のギャップを探りながら、じっくり攻め続けるだけだ。14ゴールの興梠慎三、12ゴールの武藤雄樹、10ゴールの李忠成と1トップ2シャドーは揃って結果を残している。自分たちのリズムで戦う限り、必ずゴールは奪えるという自信があるのだ。
対する鹿島には、自分たちのサッカーができなくても勝利を手繰り寄せるしぶとさがある。『明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ』準決勝でも、1-0で川崎フロンターレを切って落とした。50分、エース・金崎夢生のヘディングゴールが決まった後は、すさまじかった。攻める川崎F、耐える鹿島の構図が続く中、鹿島守備陣は最後までゴールを許さなかったのだ。
試合後、川崎F・風間八宏監督が「ひと言、入らない時は入らないんだなというゲームだった」とさばさば語れば、鹿島・石井正忠監督は「どういう内容であれ、1点、僕らが上回ることが次に進む条件だったので、それを果たすことができてよかった」としてやったり。
このように書くと、浦和は攻め続けながら、ゴールが奪えず、鹿島のカウンターの餌食に……という展開が思い浮かぶが、必ずしもそうとは言い切れない。今の浦和には、終盤戦に急失速したかつての勝負弱さはない。PKまでもつれたガンバ大阪との『2016JリーグYBCルヴァンカップ』決勝を制し、カップを掲げた自信もある。さらに展開によって、ラインを下げ、ロングボールを放り込んだりするなど、柔軟な姿勢がある。何が何でもポゼッション至上主義を貫いているわけではない。
鹿島としては、浦和の攻撃にさらされる時間が多くなるのは織り込み済み。前線からのプレッシャーとコンパクトな守備ラインで、浦和のリズムを崩し、ショートカウンターやセットプレーでワンチャンスをモノにしたい。
決勝のポイントとなるのは、シンプルなプレーだ。決めるべきところで決める。球際で勝つ。システムでも戦術でもない、局面局面での勝敗がそのままチームの勝敗に直結するのだ。
『明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ』決勝第1戦は11月29日(火)・茨城県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。チケット発売中。