6.「テグァン・コプチャン5号」のソグムクイ・モドゥム

「テグァン・コプチャン5号」のソグムクイ・モドゥム

韓国では大きな漁港のある街ではそこに住む人や働く人たちが魚を食べ飽きているので、肉料理店が目立つ。

韓国最大の魚市場がある釜山はその典型で、旧市街の南港に面したチャガルチ市場の路地裏にはコプチャン(ホルモン)横丁がある。

小学校の教室2部屋分ほどの広さの店舗には女将が7、8人いて、自分の持ち場を守っている。

それぞれ10席ほどのカウンターがあるので、一人でも利用しやすい。

目の前で女将が切ったり和えたりしているぷりぷりっとしたホルモンは、見ているだけでも、その鮮度が伝わってくる。おすすめは500グラム30000ウォンのソグムクイ・モドゥム(塩焼きホルモンの盛り合わせ)。

ミノとハツとシマチョウを塩系のタレでもんだもので、ビールやソジュ(韓国焼酎)を飲みながら、2人で食べるのにちょうどいい量だ。


テグァン・コプチャン5号(釜山南浦洞)
中区南浦洞6街35 TEL:051-245-9813
15:00~24:00 第2・第4日曜休

7.「ソンジョン・トッカルビ1号店」のトッカルビ(韓国式高級ハンバーグ)

「ソンジョン・トッカルビ1号店」のトッカルビ

粗めに刻んだ牛肉や豚肉にタレや野菜、果汁など混ぜ、手でしっかりこねて固めて熟成させ、肉汁を残すように炭火焼きしたのがトッカルビ。

いわば韓国式のハンバーグだが、欧米のそれとは比べられないくらい肉の風味が生きている。

韓国有数の穀倉地帯で、海山の食材に恵まれている南西部の全羅南道(チョルラナムド)光州(クァンジュ)とその周辺でよく食べられている。

光州市のKTX(高速鉄道)駅のある松汀(ソンジョン)エリアにはトッカルビの専門店が多く、地元の人はもちろん、週末は外部からの観光客が大型バスで大挙してやってくる。

なかでも「ソンジョン・トッカルビ1号店」は“光州5味”に選ばれた店で特に人気がある。

韓牛のメスのカルビと豚カルビを半々の割合で混ぜたトッカルビ(11000ウォン)は、ご飯のおかずとしても、酒のつまみとしてもよく、サンチュやケンニ(エゴマの葉)で包んで食べても美味しい。

 

ソンジョン・トッカルビ1号店(光州松汀)
光州広域市光山区松汀2洞826-3 TEL:062-944-1439
9:00~22:00 日曜休

 

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。