4:職場の序列を子どもの中学受験に持ち出す

これまでは主にママのNG行動を紹介してきましたが、こちらはパパのNG行動。

キャリアを積んできたパパは、自分の部下の子どもが自分の子どもより年長であるという状況が少なくありません。

上司は部下を監督し、注意したりするという役割を担っている中、部下の子どもが有名中学に合格した、という話を聞くと、

「上司としての体面を保つためには、部下の子より偏差値の低い中学には行かせられない」出典(『有名中学に合格した子の親がやっていること』 著・吉田たかよし)

と、考えて、本来の受験の目的から大きくずれてしまう可能性が高いのです。これもまた、親の虚栄心を満たすための中学受験になりかねません。

純粋に子どものための中学受験であるという根本の目的を忘れてしまっては子ども自身も、何のために、誰のために有名中学を目指しているのかという目的を見失ってしまいます。

5:小6の本番の時期に親の虚栄心を丸出しにしてしまう

親の虚栄心が子どもの中学受験に大きく影響してしまう、というのは先に述べた通りですが、吉田さんは、

「私は虚栄心を満たすことが一概に悪いとは思っていません。全ての親は大なり小なり虚栄心を持っているので、そもそも完全に捨て去るのは無理なことです。」出典(有名中学に合格した子の親がやっていること』 著・吉田たかよし)

とも話しています。

しかし、いよいよ受験本番が近づいてくると、親の虚栄心が過剰な家庭では模試の結果に一喜一憂しがちです。

子どもは点数が悪いことよりも、親がガッカリしている姿を見ている方がショックを受けるのだそうです。

親の反応が子どものストレスになり、大事な受験前に一気に成績が急降下してしまったり、体調を崩して受験会場に向かえないということも少なくありません。

子どもたちは、親のサポートしてくれる姿を信じ、その上で自分自身を高めようと、頑張っていることを忘れてはいけません。

そんな中、親ができることは何でしょうか? それはヤセ我慢です。

「わが子の前で虚栄心に基づく反応を見せないようにヤセ我慢を徹底することが必要」出典(有名中学に合格した子の親がやっていること』 著・吉田たかよし)

と吉田さんは語ります。

一番頑張っているのは子ども自身。だから親は子どもを信じて自分のために起こる感情を見せないように頑張る、これこそが子どもの中学受験成功への鍵なのかもしれません。

親なら誰でも、子どもが必死で向かっている中学受験に躍起になってしまうもの。時には自分自身の虚栄心のために子どもを鼓舞させようとしてしまいがちです。

自分自身の虚栄心としっかり向き合い、そして頑張っている子どもに対して向き合って接することが中学受験を成功へと導くのですね。

今回紹介した吉田たかよしさんの著書『有名中学に合格した子の親がやっていること』は、これから中学受験を考えている家族にも、今まさに中学受験真っ最中の家族にも心に響く内容が満載。

第一は子どものために、そんな原点を思い出させてくれる一冊です。

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。