セルゲイ・ポルーニン、大石裕香

セルゲイ・ポルーニン初の日本単独公演「Sergei Polunin セルゲイ・ポルーニン “SACRE”『春の祭典』」開催に先立ち、ポルーニンと振付家の大石裕香による取材会が2月上旬に行われた。

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“世界一優雅な野獣”と題に冠されたドキュメンタリー映画やYouTube累計再生回数2,700万回を記録した「Take Me To Church」(Hozier)のMVで知られるポルーニンは、ウクライナ出身の元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル。独ハンブルク・バレエ団における日本人初の女性ソリストを務めた大石は、現在ダンサー・振付家としてグローバルに活動しており、本公演では2演目のうち「Paradox & SACRE」の振付を手がけている。

「日本に裕香さんと『春の祭典』を持って来られて嬉しい」と笑顔を見せたポルーニンは、ロシア人バレエダンサー・振付家のヴァーツラフ・ニジンスキー(1890~1950)と西側諸国のダンサーが演じたものであると作品の由来を紹介。同時に「日本人である裕香さんが振り付けしたおかげでアジア的なテーマやエレメントが融合され、クールで素晴らしい形に仕上がった」と彼女に対する感謝の思いを伝えた。

一方の大石は、スイスにおけるポルーニンとの出会いを振り返る。言葉を交わした際のシャイな第一印象と、実際の「オーラをまとった」パフォーマンスには大きなギャップが。その姿に「感情を吐き出したいと思っているのでは」と感じ、「一緒に仕事するなら、彼の中に溜まっている何かを発散できる作品を一緒につくれる気がした」と創作意欲を刺激され、のちにスイスで彼と共作に至ったエピソードを披露した。

本公演の見どころを尋ねられたポルーニンは「深遠なテーマを扱いますが、必ずエネルギーをチャージできるエンターテインメント性の高い作品です」とコメント。現在は芸術性の追求より、「多くの観客を惹きつけ、輪が広がるような作品をつくることが大切」であるとも述べた。また「作中で僕はさまざまな人々の“生命”を踊ります。ニジンスキーも登場しますが彼の人生を舞うのではなく、彼の作品で私は私の人生を踊るのです」と持論を展開。最後には「ステージには自然体で向き合ってください。フィーリングで楽しんで」と呼びかけ、取材会を結んだ。

公演は5月14日(木)・15日(金)に、東京・新宿文化センター 大ホールで行われる。2月29日(土)の一般発売に先駆け、2月16日(日)23:59まで先着先行受付中。

取材・文:岡山朋代