左から、桑山哲也、大貫勇輔  撮影:石阪大輔 左から、桑山哲也、大貫勇輔  撮影:石阪大輔

多彩なアーティストが集う音楽とダンスの舞台、『クレメンティア~相受け入れること、寛容~』の稽古が進行中だ。2014年の初回から数えて3回目となる本公演。出演者のアコーディオン奏者、桑山哲也とダンサーの大貫勇輔が、公演への思いを語った。

Clementia(クレメンティア)Vol.3 チケット情報

僕だけ『クレメンティア』経験者なんです」と話すのは、初回から出演を続ける大貫。「今回はダンサーが僕ひとりと、人形舞のホリ・ヒロシさん、そしてミュージシャンが4人ですが、まずは音楽チームの皆さんがいろいろと意見を出されていて、これはどういうふうになるんだろう、と楽しみにしているんです」と話す。音楽チームのメンバーは桑山のほか、ジャズ・ピアニストのクリヤ・マコト、歌手の田代万里生、三味線の浅野祥と異色の組み合わせだ。「僕は田代さんを除いて初めて共演する方ばかり。どうコラボしていくか──、面白くなると思います」と桑山も期待する。

「(構成・演出・振付を手がける)川崎悦子さんとは前回に続いて2回目。その大きな器をお借りして、新しいことを生み出させてもらいました」と大貫は語るが、この舞台でもっとも特徴的なのは、前半の第一部がストーリー仕立てであること。台詞のあるお芝居は初挑戦の桑山は、「“ついに来たか!”と(笑)。僕の役はテツヤという、犬好きのアコーディオン奏者。ペットと一緒に住める部屋を探して、とあるアパートに辿り着いたという設定なんです。半分は現実と被るので、演じるといっても安心です(笑)」。同じアパートに住む指揮者の役を演じるという大貫も、「演奏家の方々が台詞って、なかなかないですよね」と笑うが、「大人たちが本気で遊んでいる感じでやれるのではないかと思います」と自信をのぞかせる。

皆が強く希望したというタンゴの名曲「リベルタンゴ」、映画『道』の主題歌「ジェルソミーナ」ほか、既存の名曲も次々登場するほか、「嬉しかったのは、桑山さんが『クレメンティア』のテーマ曲を書いてくださったこと」(大貫)。その歌詞を手がけたのは、桑山の妻で女優の藤田朋子だ。「この舞台によく合った詩ができたのではないか」と、桑山も笑顔を見せる。「予め作られたものをやるのではなく、皆で一緒に作っていく経験は初めて。将来、これに出ていたと胸をはって言えるような舞台にしたい」と抱負を語る桑山。「1回1回の舞台におこるであろう奇跡を、ぜひ観ていただきたいと思います」と、大貫も意欲的だ。

公演は12月9日(金)から11日(日)まで、東京・天王洲 銀河劇場にて。チケット発売中。

取材・文:加藤智子

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