視線や姿勢推定のAIで、受験者の視線の異常・頭部や手の動きの異常を検知

ユーザーローカルは2月18日、ディープラーニングによって試験中のカンニング行為(不正行為)を自動検知するAI技術を開発したと発表した。

新技術は、試験会場内にAI端末を設置するだけで、リアルタイムにカンニングの疑いがある受験者を人工知能が自動検知するもの。これによって、目視による監視を補完し、より公正な試験を目指すことができる。また、プライバシーにも配慮している。

高校・大学の入学試験や、国家資格などの試験では、携帯電話やスマートフォンによるカンニング行為がたびたび問題になっている。多くの試験会場では試験官が目視による監視をしているが、目視ではどうしても死角が発生する。また、受験者全員を常に確認し続けることは難しく、その一方で、試験官の増員も難しいという課題があった。

そこで、ユーザーローカルではディープラーニングによる行動推定技術を使って、受験者の映像から検知した姿勢・骨格・視線などのデータをもとに、不正行為を自動で検知するシステムを研究開発した。このシステムは、大規模な設備を必要とせず、エッジ端末とウェブカメラを会場に設置するだけで、広範囲を監視して試験官の手助けをする。また、不当に不正行為を疑われた受験者をいわれのない疑いから保護するという効果も期待でき、公正な試験の実施を支援する。

クラウドではなく端末内のディープラーニングAIで検知する仕組みとなっていること、そして、不正をしていない受験者の顔はマスキングすることにより、受験者のプライバシーにも配慮しており、個人情報に配慮して安全に検知することができる。