命令しないで理由を伝える

犬のしつけのように「シー!シー!」とか「こら!」と単に命令するだけですと、その後、数秒は静かにしていますが、また嬉しくなって1分も立たないうちに声が大きくなります。

親の命令に対して“条件反射する犬=パブロフの犬”のようですね。どうしてすぐに騒ぎ出すかというと、子どもに「なぜ、静かにしていなくてはならないのか」の理由がきちんと伝わっていないからです。

ですから、“どうして車中では大声を出してはいけないのか”をしっかり説明しましょう。

「うるさいから静かにしなさい」もちょっと動機づけとしては弱いです。「電車はお家や公園ではないのよ。眠りたい人、本を読みたい人、考え事をしたい人など色んな人が乗車しているから静かにしていようね」と伝えましょう。

もし、少しでも騒ぎはじめたら、声が更に大きくなる前に「あれ?さっきの話覚えているかな?」と思い起こさせてください。自分で気づいたことは守るものです。

そして、静かになったら「ちゃんとルールを守れて立派だね」と褒めてやることも忘れずに!出来れば予防策として、ことが起こる前、家を出る前や乗車直前にこのことを伝えておいた方が、より効果的です。

声の調節が難しい場合

「もう少し小さな声で話しなさい」ですと、その加減が子どもにはわかりません。小さな声のつもりでも実際は大きな声だったりします。

声のボリュームの調節が難しい場合はいったん、黙らせるために「声を出すのは止めてね。スイッチオフ」や、「声の音量はゼロよ」と言った方がわかりやすいこともあります。

私はこのように息子の手に絆創膏を貼り、油性マジックで“ON、OFF”と書いておきました。うるさくなりそうだったら“OFF”を押すのです。

私がよく利用するバスに、私立の小学校の生徒がスクールバス代わりに大勢乗ってきます。最初は小さな声で楽しそうにお喋りしているのですが、次第に声が大きくなり、バスの中は大音量になります。

運転手さんが「静かにしましょう」とマイクを通して注意しても、その声さえかき消されてしまい、収集がつきません。このようなとき、運転手さんは「○○小学校の皆さん、スクールバスではありません。他の方も乗っておられます。大きな声を出すのは止めましょう」と言った方がよいかもしれませんね。

ゲームにする

“だるまさんが転んだ”という遊びがあります。鬼が振り向いたとき、微動だにしてはならないルールです。これと同じで電車の中で“じっとしていて動かないゲーム”とか、“下車するまで絶対に声を出さないゲーム“にしてしまうと一気にやる気を出し、息をひそめて静かにしています。