「『RENT』 20th Anniversary Tour」 (C)Takayuki Shimizu 「『RENT』 20th Anniversary Tour」 (C)Takayuki Shimizu

7年ぶりの来日公演となる「『RENT』 20th Anniversary Tour」が12月15日、東京国際フォーラム ホールCで開幕した。

『RENT20周年記念ツアー来日公演』チケット情報

初演から20年経っても、未だにこんなに愛され、熱く語られるミュージカルは他にはないだろう。イースト・ヴィレッジの若者の暮らし、ドラッグやAIDSの蔓延など、ストーリーは初演時の21世紀末の世相を色濃く反映している。にも関わらず改めてゲネプロを観たら、古びた感じか全くしない。それどころか、人間関係が脆くなり、災いがいつ起きるかわからない不安定な今だからこそ、響くものがたくさんある。根底のメッセージ“人生を愛の数で数えよう”だって、ほんとその通りで、みんながただ素直に愛を育みつつ生きられれば、もっと良い社会になる。RENTを観るたびに反省するし、もっともっと大きな愛を育てなきゃ…と帰り道にしみじみ。

演出は初演オリジナルのマイケル・グライフ版。舞台上手の大きなクリスマスツリー、ぼんぼりのような照明、「La Vie Boehme」の長机など、定番的安心感。もちろん細かいマイナーチェンジもあちこちなされている。

RENTが古びないもうひとつの理由は、断然、楽曲の良さだ。2幕頭の名バラード「Seasons of Love」はCM等でよく耳にするはず。キャストが1列に並び、美しいハーモニーが劇場を満たす。象徴的なこのシーンはぐっと来る。他、疾走感たっぷりのロックチューン「Rent」「What You Own」、ミミとロジャーが出会う「Light My Candle」、エンジェルとコリンズが愛を告白し合う「I’ll Cover You」、モーリーンの元彼マークと今カノのジョアンがタンゴを踊る「Tango Maureen」、モーリーンとジョアンのカップルが揉めて攻めぎ合う「Take Me or Leave Me」、若者たちの主張たっぷりの馬鹿騒ぎ「La Vie Boehme」など、名曲&名シーンづくし。1曲が短編ドラマのように完成している。

今回は20代前半が集まった若いカンパニー。ロジャーはいかにもアメリカの街にいそうな、長髪タトゥで新鮮。マークは響く歌声とマークらしいニュートラル感が魅力。コリンズは器が大きくシビれる低音ヴォイス。ベニーはさりげなく、でも存在が光る良いベニー。ジョアンはパンチのある歌声が素敵。エンジェルは佇まいがエンジェルそのもので愛らしい分、後半は泣かされる。ミミはチャーミングで表現力たっぷり。モーリーンは髪色が個性的ながら、親しみやすい。

劇中にクリスマスや新年のシーンが出てくるので、「クリスマスイブ9PM公演」や「ニューイヤーカウントダウン」に参加したら、日常とシンクロできるに違いない。

RENTを知れば、人生は変わる。出会って、思い出に残る年末に!

「『RENT』 20th Anniversary Tour」は12月31日(土)まで、東京国際フォーラム ホールCにて。

取材・文/三浦真紀

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