時期に関わらず、ママ自身の人間関係を豊かに

以上が、大門さんからの3つのタイミング別「子離れ」アドバイスですが、そのほか、時期に関わらず心がけたいこともあるそうです。

それは、「ママ自身の人間関係を充実させること」。大門さんは、次のように理由を説明します。

「ママが子育てロスになる一因に、ママの人間関係が狭く、子どもとの関係性でしか自分を保てないことがあります。いわば『子どもがすべて』になってしまうと、子どもが巣立ったときに喪失感を感じやすいのです。

そうならないためには、ママ友だけでなく、趣味を通した友達、学生時代の友達、仕事関係の付き合いなど、子どもを介さない人間関係を充実させておく必要があります」

もちろん、「夫と良好な関係を保つこと」も重要だそう。

「特に男の子のママは、夫との関係性がうまくいっていないとき、息子を夫代わりにしてしまい、その結果、子離れできないことがあります。一方、女の子のママは、無意識に自分自身が生きたかった人生を娘に強要してしまうことがあるので気をつけましょう」

ママは時折、自分と子どもの関係を客観的に見て、適度に距離を保てているか、「子どもがすべて」になっていないか、子どもに夫や自分自身の代役をさせていないか、確認する必要がありそうですね。

子どもが小さく手がかかるうちは、ママの生活は、どうしても、ある程度子ども中心になってしまいます。いったんそうなってしまうと、段階的にとはいえ、気持ちを切り替えて子どもと距離を置くのは、なかなか難しいことかもしれません。

「将来ちゃんと子離れできるか、自信ないわ」と思ったママは、今回ご紹介した1~3の大門さんのアドバイスを読みながら、今のうちから心の中で、“子離れシミュレーション”しておきましょう!

取材協力・監修:大門昌代
カウンセリングサービス神戸メンタルサービス所属カウンセラー&トレーナー。女性ならではの視点と母親としての経験を活かし、恋愛や結婚、浮気や離婚などの男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係、子育て、子供の反抗期・思春期の問題など、幅広いジャンルでカウンセリングを行うほか、講座、ワークショップも開催している。
著書に子どもの自立を遅らせるひと言・助けるひと言』『身近なあの人からの「攻撃」がピタッ! と止まる本』がある。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。