「WOW BEAUTIFUL NAME イチロー」篇より

 インタビューが面白いのは、その人の人生が丸ごとにじみ出た言葉が聞けるからだ。自分には到底できないようなことを成し遂げた有名人はもちろん、市井の人でも、とても近いところにいる隣人でさえ、当然のごとく一人一人が自分とはまったく異なる人生を歩んでいるから、 その口から発せられる言葉は、やはり“未知の世界”を語っている。そんな5人が、新しい年の希望を語る動画を、トヨタが作った。

 1本目は「WOW BEAUTIFUL NAME イチロー」篇。イチロー選手がカメラをつめながら、歌詞をじっくり朗読している。一人一人が持つ名前の意味を讃えるこの歌。ゴダイゴの「ビューティフル・ネーム」だ。偉業を成し遂げた彼の朗読から受け取るメッセージは、さまざまかもしれない。

 トヨタのメッセージは、障害や齢に関係なく「一人一人、すべての人にクルマのある歓びを」。今年のプロジェクト「WHAT WOWS YOU.」の想いを重ね合わせ、「この世界のすべての心にWOWをつくろう」と訴える。あなたの心が「WOW」とときめくことは何だろう。

 パラリンピアン、一ノ瀬メイさんと河合純一さんは、飾らない言で自身の障害について語っている。義手は早く泳ぐためで普段はいらない、腕が短いのが自分、という一ノ瀬さんの笑顔。目が不自由な自分も湘南をスポーツカーでぶっ飛ばしてみたいと自動運転技術に夢を託す河合さんの言葉。どちらもリオ五輪の感動を未来にもつないでくれているようで勇気づけられる。

 長、地域の子供たちの安全を守っている交通指導員、そして生まれ育った東北でクルマ作りに取り組む喜びを語る若者たち。それぞれが、それぞれの場所で新しい年の一歩を踏み出している。今年はもっと明るく平和な年に。そんな希望を見いだせる動画たちだ。

 2017年1月1日から全国で放映されるこの5篇、まずは「ニューイヤー駅伝」(1日/TBS系列)と「第93回東京箱根間往復大学駅伝競走」(2日~3日/日本テレビ系列)で見られそうだ。

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