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 名優ロバート・デ・ニーロと期待の若手俳優ザック・エフロンの共演で、ハチャメチャな祖父と真面目な孫の旅の様子を描いたコメディー『ダーティ・グランパ』が公開された。

 1週間後に結婚を控えた弁護士のジェイソン(エフロン)は、妻を亡くした祖父のディック(デ・ニーロ)から、フロリダへの傷心旅行に誘われる。ところが、40年ぶりに独身となったディックは放蕩(ほうとう)の限りを尽くしてジェイソンを困らせる。

 数年前の正月映画『テッド』(12)は主人公とエロテディベアによるバディ(相棒)ムービーだったが、今年の正月は真面目な孫とエロじじいのコンビが取って代わった。

 下品な下ネタ満載で、聞くに堪えないせりふ、見るに耐えないシーンも少なくない。例えば、公開中の『14の夜』では光石研がAVを見ながら○○をするシーンがあるが、本作では何と天下の名優デ・ニーロが同じことを…。これには目が点になった。また、ドラマ「ハイスクール・ミュージカル」で有名になったエフロンは、本作でも歌と踊りを披露するが、それはパンツ一丁でだったりもする。

 だから初めは「二人ともよくぞこんな役を引き受けたものだ」「エフロンくん焦ってるの?」「デ・ニーロ、頼むからもう少し仕事を選んでよ」などと思うのだが、全く照れずに演じている二人の姿を見ているうちに、これはソフィスティケート(洗練)などどこ吹く風の、泥くさいストレートなコメディーなのだと気付き、いつの間にか大笑いさせられていた。デ・ニーロは脚本のジョン・M・フィリップスのことを「ここまで際どい脚本を書くなんて大したもんだ」と褒めたという。

 ところで、本作は『ハングオーバー』シリーズのようなバチェラー・パーティーを描き、ラストは、逆のパターンではあるが『卒業』(67)をほうふつとさせる。実は「結婚とは何か」というテーマが隠し味なのだ。笑いを引き立てるのはこうした隠し味に他ならない。二人の間に挟まれて困惑する父親役をかつての二枚目俳優ダーモット・マローニーが演じているのも笑える。(田中雄二)

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