「勉強しなさい!」「宿題はもう終わったの?」と声がけしても全然勉強する気配がないうちの子、この先が思いやられる……なんてお悩みのママは多いのではないでしょうか?

大人にとっても勉強と聞くとなかなか億劫で取りかかれないもの。世の中にある多くのものが新鮮で楽しくて仕方がない子どもにとって、強制されてやらなければならない勉強なんて、より気が進まないものです。

実は、そんな勉強嫌いな子どもが自分から勉強に取りかかるようになるという、魔法の道具があることをご存知ですか?

今回は、『勉強しない子には「1冊の手帳」を与えよう!』の著者・石田勝紀さんにインタビュー。

「勉強しなさい!」と連呼するよりずっと楽に、子どものやる気を伸ばす「子ども手帳」とは?

子ども手帳は子どもの感性に寄り添って作ろう!

――まず、「子ども手帳」とはどういったものなのでしょうか?

石田勝紀(以下、石田)「子ども手帳とは、子どもの日々やるべきことなどを習慣化させ、モチベーションを保つための道具です。

まず、毎日子ども自身がやるべきことを手帳に書いていって、終わったら赤ペンで消していく、ただこれだけです。

この際に、達成したことがきちんと目に見えるように、ハードルの高い行動ばかり書くのではなく、宿題とか、歯磨きとか、朝何時に起きるとかルーチンワークを書いておくことがポイントです。

あとは、赤ペンで消すこと。これはなぜなのか、他の色で消すよりも赤で消す方がやる気が出るみたいなんですよ。人間の本能的なものなんですかね(笑)」

――手帳自体はどんなものを選べばいいのでしょうか?

石田「実はこの子ども手帳は、特に決まったレイアウトがなくて。王道的にスケジュール帳を使う子もいれば、普通のノートに日付とやることを羅列して使う子もいます。

というのも、ガチガチに『こういうレイアウトでやりましょう!』となると、子どものやりやすいレイアウトでなかったりして結局続かないということがあるのです。

しいて言えば、子ども自身に好きな手帳を選ばせることでしょうか。その子の感性に合った手帳を選ぶことで、本人も自分のやりやすい形で子ども手帳を作ることができるので。」

――なるほど、子どもの感性に合わせて、その子のやりやすさを重視したものを選べば良いのですね。きちんとやるべきことをやって赤ペンで消していくことができたら何か報酬のようなものはあるのですか?

石田「報酬は、ポイントで付与します。これをやったら何ポイント、という感じです。

そのポイントを換金するかしないかはその家庭次第だと思うのですが、ポイントを換金してお小遣いにすることによって、『これだけ頑張ると、このくらいのお小遣いになる』というお金の価値を理解することができるようになります。

子ども手帳を実践している子の例なのですが、200円のガチャポンをやろうとした時に、『200ポイント貯めるの、結構大変だったな……』と、今までの自分が子ども手帳で貯めたポイントと、今そのポイントでもらったお金で買おうとしているものの価値を天秤にかけて、『今日はガチャポンやらなくていいや!』とガチャポンをやらなかったという話を聞きました。

ただお小遣いをあげるだけでは、お金の大切さってなかなか子どもは理解できないと思うので、ポイントの換金は金銭教育にもなりますよね。」

子ども手帳で子どもが勉強するようになる理由

――確かに、子どもの頃ってお金を稼ぐことの大変さをほとんど理解していなかったように思います。しかし、なぜこの子ども手帳が勉強をしない子に対して効果的に働くのでしょうか?

石田「まず、自分のしたことがきちんと見える化されるので、『やった感』を実感できるのです。

どんどん赤ペンで消えていく項目を見たら、自分がやったことや、変わっていったことが目に見えてわかるので、他の項目も消していきたくなるんですよね。

あとは、先ほども述べたようにポイント制でゲーム性を持たせているから、というのもあります。

子どもってゲームが大好きですよね。なぜかというと、レベルが上がったり、進化したりなど、自分自身の成長が数字や変化で見えやすいからなんですよね。

自分のやったことを、ポイントを付与することによって数字に置き換えられるので、よりわかりやすく、ゲーム感覚で楽しむことができるのです。

子ども手帳のこういった特徴から、子どもたちは勉強なり、日々のやるべきことを自主的に習慣化できるようになります。」