(画像左から)演劇芸術監督・宮田慶子、オペラ芸術監督・飯守泰次郎、舞踊芸術監督・大原永子 (画像左から)演劇芸術監督・宮田慶子、オペラ芸術監督・飯守泰次郎、舞踊芸術監督・大原永子

2018年で開場20周年を迎える新国立劇場の2017/2018シーズンのラインアップ発表会見が1月12日に行われ、演劇芸術監督の宮田慶子、舞踊芸術監督の大原永子らが出席した。演劇では、次期芸術監督の小川絵梨子演出による『1984』をはじめ、3本の日本初演作、シェイクスピアの『ヘンリー五世』、蓬莱竜太による新作と充実のラインアップ。バレエ&ダンスでは『くるみ割り人形』が“新国立劇場バレエ団版”として新たに制作されることなどが発表された。

演劇では、2期にわたって芸術監督を務めてきた宮田が来季で退任となり、昨秋より芸術参与に就任した小川絵梨子にバトンを渡すことになる。宮田は2期8年にわたった任期を感慨深げに振り返りつつ、来シーズンのテーマとして「世界を映し出す」を掲げた。

その言葉通り、8本中の3本が日本初演、1本が新訳上演。まず10月は岩切正一郎の新訳による『トロイ戦争は起こらない』で幕を開ける。1935年に初演されたジロドゥの名作で、いまなお、やむことのない“戦争”を炙り出す。鈴木亮平、一路真輝、鈴木杏らを迎え、演出を栗山民也が務める。

日本初演の3本の1本目は、11月に上演される『プライムたちの夜』。近未来を舞台に85歳の老女と30代の男性の思い出話から家族の姿を描き出す。2018年3月には、鄭義信の『赤道の下のマクベス』がお目見え。新国立劇場では『焼肉ドラゴン』『パーマ屋スミレ』『たとえば野に咲く花のように』の戦後3部作が大反響を呼んだが、さらに時代を遡り、1947年のシンガポールの刑務所を舞台に物語が展開する。こちらは韓国語で書かれたオリジナル版を全面改訂し日本語での上演となる。2018年4月~5月にはジョージ・オーウェルの小説を基にした『1984』が小川絵梨子の演出、井上芳雄主演で上演される。

古典では、昨年の『ヘンリー四世』二部作に続くシェイクスピアの『ヘンリー五世』を前回に続き浦井健治、岡本健一らを迎えて贈る。また、子どもと大人が一緒に楽しめる企画として好評を得た長塚圭史作・演出で、長塚、首藤康之、近藤良平、松たか子出演の『かがみのかなたはたなかのなかに』の再演が決まった。2018年6月は井上ひさしの『夢の裂け目』の再演、7月は蓬莱竜太の新作戯曲でシーズンの幕を下ろす。

バレエではシーズン幕開けの10月~11月に新制作の『くるみ割り人形』を上演する。2014年の『眠れる森の美女』の改訂上演で高い評価を得たウエイン・イーグリングが振付を担当し、前田文子が衣裳デザインを務める。新制作はこの1本だが、2018年4月~5月には『白鳥の湖』6月には『眠れる森の美女』とチャイコフスキーの3大バレエがラインアップされている。

また、「こどものためのバレエ劇場」と銘打ち7月には『しらゆき姫』の上演を実施。そして、ダンスでは「舞踏の今」シリーズとして山海塾と大駱駝艦の公演が行われるほか、森山開次、高谷史郎(ダムタイプ)といった世界的な活躍を見せるアーティストが新国立劇場に登場する。

取材・文・撮影:黒豆直樹

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