2.自由を謳歌している独身の女友達がうらやましい

その女友達の言動やライフスタイルの中に、自分の願望がひそんでいるはず。まずは、自分が何に対してうらやましさを感じているのか、もう少し深く探ってみましょう。

女友達がバリバリ仕事をして自己実現しているから? それとも、打ち込める趣味を持っているから? 自分自身は息抜きの時間さえほとんどないのに、友達が楽しく充実した毎日を過ごしているから「いいなあ」と思うのでしょうか?

子育て中は、家事や育児など、優先しないといけないことが多いのが現実。でも、なりたい自分を目指すことは、どんな環境下でも不可能ではありません。

うらやましいと感じる気持ちを深く探ることで、自分の願望や夢に気づいたら、「変わらない環境の中で、自分はどうありたいか」を考えて、そのためにできることを習慣化してみましょう。

たとえば、毎日30分だけ読書をする。自分のためにコーヒーを入れてみる。資格試験のために勉強する。協力者を得て、一人きりになる時間をつくる工夫をする。週に一度か月に一度、買い物や映画に行く。パートを始める。習い事をする。

子どもを預けて出かけることに罪悪感を感じるママも多いですが、ママが満たされれば、子どもや家族を満たすことができますし、誰かに頼ることで、相手に感謝を伝えることができます。ガマンするより行動を起こしたほうが、周囲の人間関係が良い方向に回ることも多いのです。

3.イクメン夫を持つママ友がうらやましい

「○○さんのダンナさん、家事にも育児にも積極的でいいなあ、それに比べてうちの夫は…」そんな気分になること、ありますよね。そのとき、自分自身は何を望み、求めているのでしょうか。

夫にもっと家事をしてほしいのか、夫ともっとコミュニケーションをとりたいのか。それとも、夫にもっと子どもに関心を抱いてほしいのか?

本当の気持ちがわかったら、夫にそれを伝えてみるのも一つの道です。その際には、たとえば「私はあなたに、もっと子どもとの時間をとってほしいなって思っているけど、あなたはどう思う?」というように、相手の気持ちも聞き出すことが大切です。その会話がきっかけで、夫の態度や夫婦関係が変わるかもしれません。

もちろん、気持ちを伝えたからと言って、相手に伝わるとは限りません。夫に自分の気持ちがうまく伝わらなかったときや、夫に気持ちを伝える勇気が出ないときは、「今あるもの」に目を向けるという対処法もあります。

たとえば「うちの夫はイクメンではないけれど、こんな長所がある、○○ができる」というように、夫の良い面を探すのです。

夫の良い面に気づくと、うらやましい気持ちや夫へのイライラは、自然に軽減するはず。ときには「パパ、いつもありがとう」「あなたの○○なところがうれしいわ」と伝えてみるのもいいでしょう。

以上が、メンタルコーチ田崎さんが教える、他人がうらやましくなったときの対処法でした。いかがでしたか?

最後に田崎さんは、コーチングの基本原則について、次のように説明します。

「コーチングの世界では、『答えはあなたの中にある』と言われています。自分の外側に正解を求めることよりも、自分の内側にある答えを見つけて主体的に人生を生きる…。そんな生き方をおすすめしています」

ちなみに筆者の場合、これまで、他人がうらやましくなったときには、それ以上相手の方を見ないようにしたり、別のことを考えたりして、心からうらやましさを追い払っていた気がします。

でも前を向いて主体的に生きるためには、むしろ自分の願望にちゃんと目を向けることが大切なのですね。他人がうらやましくなったときこそ、自分の本当の気持ちに気づき、新しい一歩を踏み出す「チャンス」なのかもしれません。

取材協力:田崎由美

メンタルコーチ。大阪府出身。自動車メーカーショールーム勤務、専業主婦を経てコーチングを学び、コーチの道へ。個別セッション、セミナーを行うほか、コーチングを活用したママのためのコミュニケーションスクール「マザーズスマイルコミュニケーション」を立ち上げ、代表、講師として活動。

お母さんの力を社会に活かす「一般社団法人 マザーズスマイルアンバサダー協会」理事でもある。Blog:「自分を幸せにするトリセツ

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。