人生の最初の親からの自立。それは既に2歳くらいから始まっています。

まずやってくるのが“イヤイヤ期”。

でも、これは成長の証なのです。実はお赤飯を炊いて歓迎し、祝って良いくらい喜ばしいことなのかもしれません。

子育ての目的は自立、生まれた瞬間から“いつかお別れするその日のため”の子育てとも言えますね。でも、親亡き後のことなんてずっとずっと先のことです。

年齢に合わせて少しずつ自分で出来るように育てていきませんか。親が一方的に命令したり、手出し口出しすることを控えて見守ってみませんか?

そのチャンスが“魔のイヤイヤ期”です。

でも、子どもと母親の年齢は同じ、子どもが1歳ならば母としてまだ1歳。だから「母親として上手に対応できない」ことは当たり前なのです。

今日は『1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。

魔のイヤイヤ期の正体は「脳」だった!

脳には自分の“欲求を抑制する働き”をする箇所があります。額の内側にある脳の前頭前野という部位です。

食べたいお菓子を我慢したり、ブランコの順番を守ったりするなどです。幼稚園に通う頃にはこれが出来るようになっていきますが、3歳くらいまではまだ発達していないのです。

0歳、1歳の受け身の時代を卒業して、2歳を迎えたころから自分の思い通りにならないと癇癪を起します。でも、脳はそれを制御できるようにはまだ育っていません。これが“魔のイヤイヤ期”が起こる正体なのです。

ですから、この反抗する態度はママのしつけの仕方が悪いのではありません。

イヤイヤが始まったら「脳の前頭前野が発展途上だからだわ。私の対応が悪いのでもなく、我儘な悪い子になってしまったわけでもないのだわ」と思いましょう。

さて、いつまでこれが続くでしょうか。

永遠に続くことはありません。一時的な辛抱です。

3歳を過ぎた頃から前頭前野の機能が発達してきて「自分がこうしたい」という感情をコントロールすることができるようになりますから、しばらくの辛抱ですよ。

第一次反抗期、親にとってしんどいイヤイヤ期

ママ「これ着なさい」

子ども「イヤ!イヤ!」

ママ「だったら、こっちを着なさい」

子ども「イヤ!イヤ!」

ママ「だったら、勝手にしなさい」

子ども「イヤ!イヤ!着る!」

何をしても反抗してくる…。これは服を着ること自体が嫌なのでなく、ママになにか命令されることがとても嫌なのです。

また、自分で何でもやりたがる子、止められないボタンやジッパーを自分で止めたい子。

でも自分では思う通り器用にはできず、親が助けてくれなければうまく行きません。そこで本人も更にイライラしてしまうのです。

ここで親が一緒になって、キレて感情的になってしまい「だったら好きにしなさい!」「勝手にしなさい!」と言ったら、子どもはどうしようもなくなって、自分の無力さを感じて、またぐずるのです。