左から、早霧せいな、咲妃みゆ 左から、早霧せいな、咲妃みゆ

宝塚歌劇団が1月16日、雪組公演『幕末太陽傳』『Dramatic“S”!』の制作発表会見を開催した。この公演はゴールデンコンビとして多くの人に愛されている雪組トップスター・早霧せいな、トップ娘役・咲妃みゆの退団公演。早霧は「いよいよ私と咲妃の退団公演が始まろうとしています。…ですが! さらに身を引き締めて、今まで以上に進化する舞台を務めていきたい」意気込みを話した。

宝塚歌劇雪組『幕末太陽傳』チケット情報

2014年にトップスターに就任、大劇場のお披露目公演では『ルパン三世』、その後も人気漫画をミュージカル化した『るろうに剣心』や名作映画をもとにした『ローマの休日』など、立て続けに大ヒットを飛ばした早霧。相手役の咲妃とともに、雪組を、そして歌劇団全体を盛り上げた。歌劇団の小川友次理事長も「平成の雪組をひっぱってくれたゴールデンコンビ。我々もふたりのコンビが永遠に続けばと思ったのですが、そうもいかない(笑)。今でしか見られないふたりの姿を見てほしい」と最大限の賛辞を贈ったふたりのサヨナラ公演は、日本映画史に残る日活映画のミュージカル化作品と、ドラマチックなショーの2本立てだ。

鬼才・川島雄三監督の代表作である『幕末太陽傳』は、「居残り佐平次」を中心に、複数の古典落語を組み合わせ、幕末の品川宿を舞台に起こる様々な人間模様を描く名作。この日はその世界観をひと足早く伝えるべく早霧、咲妃、そして雪組男役スター・望海風斗がパフォーマンスも披露。早霧は羽織を宙に放り投げてすばやく着る“羽織芸”も。退団公演には珍しい日本物だが「最後の公演が日本物になるとは想像しておらず最初は戸惑ったのですが、もしかしたらこの作品をやるために今まで和物の経験を積んできたのかも。私たち自身、日本人だからこその“和の心”を大切にお届けしたい。映画はとても面白いお話で、そこに宝塚らしさ、華やかさ、雪組らしさを加えたら、お客さまにとても喜んでいただける作品になるんじゃないかなと思いました。そのためには居残り稼業の佐平次がいかに皆さんに愛されるキャラクターになるかが肝になる」と語った。

早霧と同時退団する咲妃は「雪組で過ごさせていただく時間にも限りがあります。早霧さん、出演者の皆さまと作品を作り上げられることに感謝して、一日一日を過ごしていきたい」と意気込みを。ふたりを支える望海は「映画では石原裕次郎さんが演じていらした高杉晋作役。このような大きな役をどう作り上げるか悩むこともあると思いますが、楽しんで作っていきたい。今回は早霧さんと咲妃の退団公演であり、初舞台生のお披露目公演でもあります。普段より感情の揺れ幅が大きくなりそうですが、いつもどおり、早霧さん、咲妃が突き進む方向にしっかりついていきたい」と話していた。

公演は4月21日(金)から5月29日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、6月16日(金)から7月23日(日)まで東京宝塚劇場にて。

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