3.ブラジルの子どもはコーヒー好き?

食関連でもう一つ。第二章の終わりの「子供が食べたがる物は?」と題した短いコラムの中には、ブラジルやコロンビアなどのコーヒー原産国の子どもたちは、幼いころから少量のコーヒーを飲むという記述があります。

日本のママの間では、カフェインを含むコーヒーは、子どもの成長によくないから与えない方がいいというのが常識ですが、世界に目を向けると、必ずしも「大人の飲み物」ではないのですね。

4.世界一のイクメンは、アフリカ・アカ族のパパ!?

福祉先進国と呼ばれる北欧の国々には、イクメンが多いという話をよく聞きます。本書の第5章では、北欧のスウェーデン人以上に父親の育児時間が長い民族として、中央アフリカ共和国とコンゴの国境の森に住むというアカ族が紹介されています。

アカ族は、平均身長150センチ程度という低身長の狩猟民族。ジャングルで狩猟をして暮らす人々と聞くと、男性はさぞ荒々しく勇ましいのだろうとイメージしますが、アカ族のパパは非常に柔軟性が高く、育児はもちろん家事にも積極的なのだそう。

子どもに対する姿勢も愛情深く、子どもを抱っこしたまま狩りに出かけるほど。ぐずる赤ちゃんにパパの乳首を吸わせることもあるのだとか!

なぜこれほどアカ族のパパがイクメンなのかというと、要因のひとつに、アカ族特有の体格の小ささがあるようです。小柄なアカ族にとって、赤ちゃんを運ぶことは重労働。そのため、より力のある男性が赤ちゃんを抱っこする役目を担うようになり、パパのイクメン化が進んだと考えられているそうです。

5.日本人は子ども同士のケンカに寛容?

アメリカ人の著者が、日本の保育園の様子を撮影した映像を見てショックを受ける第8章も印象的でした。章のタイトルは「日本人はどうして子供のケンカを止めないのか」。

各家庭や保育園の教育方針にもよりますが、たしかに日本では、ケガをする心配がなさそうな幼児同士のケンカの場合、大人は手を出さず、本人同士で解決させようとすることが少なくありません。

しかしアメリカ人ママの目から見ると、それは信じられない驚きの光景に映るようです。というのも、アメリカでは、たとえ幼児同士のケンカでも、本格的な争いになる前に、親が割って入って止めるのが常識と考えられているのだそう。

背景には、アメリカの教育現場で暴力やいじめの問題が深刻化していることがあり、ママたちも子どもの争いごとに敏感にならざるを得ないようです。