ヘアメイク:山田良典 スタイリスト:櫻井まさえ(Irakusa)

 松坂桃李と菅田将暉のW主演で、二つの夢の間で悩みながら突き進む姿を描いた青春映画『キセキ ーあの日のソビトー』。GReeeeNの名曲「キセキ」の誕生秘話をモチーフにした本作で、菅田演じるメンバーの一人ヒデの夢を後押しする恋人の理香を演じた忽那汐里が、自身にとっての人生の決断やカメラ好きな一面を語った。

―劇中ではヒデの夢を応援する大事な役どころを演じていますが、役作りで意識したことは?

 今回はあまり作りこんだりはしませんでした。撮影はほとんど菅田さんと二人きりで、短い時間でしたので、できることの幅がない分、菅田さんのお芝居を受けて素で過ごしている感じを意識しました。

―菅田さんの印象はいかがでしたか。

 撮影期間はすごく短かったのですが、以前現場ですれ違ったことがあり、年齢も近いので、共通の話題もあって撮影の合間にお話をしたりしていました。

─忽那さんは出演作のジャンルが幅広い印象がありますが、役柄がかぶらないように意識することはありますか。

 そういう理由で仕事を選んだことはないです。仕事を選ぶ時は、お仕事がしたい監督さんや作品で。役柄に魅力を感じたり、作品の発するメッセージに自分も参加したい気持ちが大きいです。

―この映画ではどういう部分に引かれましたか。

 今まであまり実話をベースにした作品に参加したことがなかったので、出演したいと思いました。以前実話の作品に出演した時は、歴史もので「伝えること」に責任感もありました。でも、(創作作品とは)全然違う角度から作品を作っていくような気がして面白かったです。映画などで実話と違うと批判を受けることもありますが、内容を魅力的に伝えたり、見てもらう人が面白いと思ってくれなくては伝える意味もないので、多少は違う角度でもいいと思っています。

―この映画では、主人公が二つの夢(歯科医と歌手)との岐路で悩みますが、ご自身もそういう選択を迫られたことはありますか。

 大学がまさにそうでした。この仕事をしていて大学を選択する人があまりいなかったので、「必要ある?」と聞かれたこともありました。でも、あの時は自分に必要なことだと思っていて。2年通って辞めましたけど、目的は就職ではなくて写真を勉強することだったので、後の2年間は、ゼミとかは必要ないと思って。でも行ってすごく良かったです。

―大学で写真を勉強した理由は?

 映画もフィルムからデジタルに変わる時代で、その時に行かないとフィルムの授業がなくなる可能性もあると思って行きました。アナログが好きで自分で現像から行いたかったし、暗室を自分の部屋に作るのも大変なので、大学という環境があった方が学びやすいと思って。

―ご自身が演じられた理香のように、自分の夢を支えてくれる存在の人はいましたか。

 いつもいました。私は母親が一番そういう存在でした。芸能活動を始めた時はまだ14歳と若かったし、日本に住んでいたわけではないので、心配してオーストラリアから来てくれたことは忘れないです。もちろん血は日本人ですけど、オーストラリアに住んでいたころは日本語もあまりしゃべれないですし、中身は外国人みたいなもので。それで14歳でいきなり異国に来るような感じでした。

─忽那さんが「第11回 全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞に輝いたのが2006年、ドラマ『3年B組金八先生』で女優デビューしたのが07年と、GReeeeNと同時期にデビューしていますが、本作の楽曲「キセキ」に対する思い出などはありますか。

 そうなんですよね。そういう経緯は知らずに聴いていましたが、当時、一世を風靡(ふうび)していたのは覚えています。音楽って普段自分で選んで聴くものとその当時流行していて聴くだけで思い出が一気によみがえるものがあると思うけど、「キセキ」は私にとって後者のような、思い出のある曲です。

―音楽もお好きだそうですが、普段はどんなものを聴いていますか。

 完全にロックです。音楽が好きなのでレコードとかもたくさんあって、日本に来て数年は、1日のうちに人と話しているよりも音楽を聴いていることの方が多いぐらいでした。あと、毎週のようにCDショップに行ってCDやレコードを探したりしていて、音楽は私にとって大事な要素です。

―劇中で、CDショップでアルバイトをするシーンがありますね。

 CD屋さんは憧れました。店舗もよく行っていた所だったのでうれしかったです。

─音楽好きな忽那さんにとって死ぬ前に聴きたい1枚は?

 ザ・ローリング・ストーンズですかね。以前は断然ビートルズ派でしたけど、ここ数年でストーンズに変わりました。

―最後に映画のPRをお願いします。

 一世を風靡した曲の背景に実はこういう物語があったことを知っていただけたら皆さんも違った感じに聴こえてくるかもしれないと思いますので、ぜひ見ていただけたらと思います。

(取材/文/撮影:中村好伸)