昨年、東京都が「東京都子育て支援住宅認定制度」という制度を設けたことをご存じでしょうか?

東京都だけではなく、神奈川県横浜市や埼玉県なども次々と「子育て支援住宅」の認定制度を創設しています。

「子育て支援住宅」というのは読んで字のごとく、子育て世帯をターゲットに、子育てしやすい居住スペースを考慮した安全で家事のしやすい住宅で、子育て支援施設やサービスを提供するなど、子育てしやすい環境づくりに向けた取り組みを行っている「子育てにとって優良な住宅」を自治体が認定する制度です。

対面キッチンや動線を意識した間取りを採用するなど、家事がしやすい住宅は需要とともに以前から供給されてきていますが、子どもが安全に、そしてママも安心に暮らせる住宅が供給されるようになったのはごく最近のこと。

自治体が「子育て支援住宅認定制度」を創設するようになった背景には、「少子化による人口の確保」がありますが、「子育て支援住宅」は利用する側にたくさんのメリットがあると言われています。

今回は、各自治体が力を入れる「子育て支援住宅認定制度」のメリットについて、宅地建物取引士の著者がお伝えしたいと思います。

「子育て支援住宅」とはどういうものなの?

各自治体によって制度の名称は違いますが、「子育て支援住宅」とは、ひと言で言えば、子育て世帯をターゲットにした「子育てしやすい住宅」のことを言います。

東京都を例にしてみると、対象住宅の要件は、「集合住宅」「耐火構造または準耐火構造」「住戸専有面積が50平米以上」「地震に対して安全な構造」などとなっています。

まずは「子育て支援住宅」が、建物の安全性を最低限保証した住宅であることが分かりますね。

そして気になるのが「認定基準」。

認定基準項目は全部で31項目ありますが、そのうち12項目が適合していれば認定されます。

また「共用部」「室内」「立地」「子育て支援施設設置」「管理・運営」など、認定基準箇所も細かく設定されており、各箇所における最低適合数もしっかり定められています。

例えば「室内」の認定基準は16項目ありますが、そのうち8項目が適合していなければ認定されないという内容です。