会見より。左から、AKANE LIV、畠中洋、田代万里生、小池修一郎、井上芳雄、夢咲ねね、広瀬友祐、蒼乃夕妃 会見より。左から、AKANE LIV、畠中洋、田代万里生、小池修一郎、井上芳雄、夢咲ねね、広瀬友祐、蒼乃夕妃

井上芳雄が主演するミュージカル『グレート・ギャツビー』の製作発表会見が1月30日に都内にて行われた。1991年に本作の“世界初のミュージカル化”を宝塚歌劇団で成功させた小池修一郎が、キャストのみならず脚本・演出・音楽を一新して再び名作に挑むというのも話題。井上が「『エリザベート』や『レ・ミゼラブル』のように、日本のミュージカル界を支える大きな作品になれば」と語る大作が誕生する。

ミュージカル『グレート・ギャツビー』チケット情報

20世紀文学史における最高傑作のひとつと言われるF・スコット・フィッツジェラルドの名作小説『グレート・ギャツビー』。1920年代のNYで、毎夜豪華絢爛なパーティを開く謎の大富豪、ジェイ・ギャツビーを中心に、様々な愛や思いが錯綜する物語だ。映画ではロバート・レッドフォードやレオナルド・ディカプリオが演じたギャツビーを演じるのは、ミュージカル界きってのスター井上芳雄。「ギャツビーという役は、男優ならば誰もがやりたいと思う、素晴らしい役。もうプレッシャーしかない」と話しつつも、「僕がこの作品を最初に観たのは、小池先生が演出した宝塚の初演版。(ギャツビーを演じた)杜けあきさんの背中が大きかった印象で、“背中で語る”役だと思いました。ギャツビーはただ自分のロマンスのために嘘をつく、ロマンチックな人。自分がどう演じられるかわからないが、まだ誰も観たことのない『グレート・ギャツビー』を皆さんにお見せすることが楽しみでなりません」と心境を語った。

その井上は、2000年に小池演出の『エリザベート』で俳優デビューしたのは有名な話。小池演出で井上主演、という形は“黄金タッグ”のように思えるが、小池は「ある意味一番私がプレッシャーを感じるのは井上芳雄という存在」と意外な告白を。「(再演作はあるが)2002年の『モーツァルト!』以来、彼とは新作を作っていない。その間彼は俳優として、確固たる地位を築いている。着実に歩みを進め、成功している彼が演じるギャツビーはどう見せれば成立するか、構築を考えているところ」と話した。

また音楽はアメリカの作曲家を起用し、全曲書き下ろしになることも注目。作曲を担当するリチャード・オベラッカー氏はシルク・ドゥ・ソレイユの『KA(カー)』ラスベガス公演のミュージカル・ディレクターで、今春『バンドスタンド』でブロードウェイ・デビューを果たす気鋭の音楽家。演出の小池によると「アメリカを代表する物語なので、音楽はアメリカの方にお願いしようということになった。何人かの立候補がありましたが、彼は一番オーソドックスなタイプの音楽を書いてくれて、いい意味でノスタルジック」とのこと。この日は井上による楽曲披露もあったが、井上も「綺麗なメロディでとても心地いい。でも一方的に出来上がった音楽を頂くのではなく、気持ち的には“一緒に作っていく”ということが重要で、日本ミュージカル界にとってもエポックになる」と話していた。

共演は夢咲ねね、田代万里生ほか。公演は5月8日(月)から29日(月)まで東京・日生劇場で上演。チケットは2月11日(土・祝)に一般発売開始。その後、愛知、大阪、福岡でも上演。

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