出産後の夫婦の溝、放っておくとどうなっちゃうの?

——そのような妊娠~出産後の夫婦間のズレを、適切に処理しないままでいると、どうなってしまうのでしょうか?

渡辺:そうですね、「夫婦でなくてもいい状態になる」という感じでしょうか?

そのまま離婚してしまう人もいるだろうし、子どもがいるから…とその状態でも一緒にいる人もいると思うのですが、夫婦として機能していない状態になってしまいます。

もちろん、この状態は子どもにとっても良くない影響を及ぼすことが多いですね。

夫婦の仲があまり良くなく、お互いを責めて過ごす姿を間近に見ることで、子どもが「夫婦関係はそういうものだ」とインプットするか、逆に「こんな風になるなら結婚なんて嫌だ」と思い込んで大人になってしまう可能性もあります。

夫婦が仲良く過ごすという親としての1つの機能を、子どもに対して見せられていない状態なので。

そういえば、先ほど話した意識の違いの部分でいうと、夫婦仲が子どもに及ぼす影響に関しても、男女間で違いがあるんですよ。

女性は、子どもに対して目をかけてあげられない時間があったとしても、夫婦の仲が良い方が子どもに対して良い影響がある、と考えている人が多い印象がありますが、男性は、夫婦の会話がなかろうと、子どもに対して一生懸命目をかけてあげる方が子どもに対して良い影響がある、と考えている人もいます。

どちらが正解というのはないですが、まずはパパとママで、家庭のことに関してこれだけのズレがもともとあるものだ、ということを認識しなければならないですね。

夫婦の溝を解消し、仲良し夫婦でいるためには?

——確かに、家庭に対する考え方がそれぞれ違うということはよく耳にする話ですが、これだけの違いがあるとはっきり認識できている人は少ないように感じます。

妊娠~出産後のパパとママの意識のズレを埋めて仲良く過ごしていくために、お互いが気をつけるべきことはなんでしょうか?

渡辺:まずは僕の著書である『赤ちゃんがやってくる! 』を夫婦で読んでもらって(笑)

あとはやはり、冒頭に話したように「夫婦間でしっかり会話をすること」が大事です。

考え方の部分でいえば、ママは「家事や育児は自分がやるべき」となんとなく持っている意識を変えるべきです。その上で、しっかりとパパと家庭内の分担などについて話し合うこと。

そしてその分担の時なのですが、皆さん家事分担などに目が行きがちなのですが、家事以外のことで、なんとなくママの分担になってしまっていることって多いんですよ。

子どもが熱を出した時の保育園のお迎えや、親に子どもの面倒を見てもらうお願いをしに行くなど、当たり前のようにママがやっている場合が多いですよね。