とある惑星からやってきた宇宙人ジョーンズがハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズそっくりの地球人になりすまし、さまざまな職業を転々としながら、未知なる惑星・地球を調査する「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」。第58弾となる新TVCM「プレミアム熊本」篇(30秒)が7日から全国でオンエアされる。

 CMに出演するのはすっかりおなじみとなったジョーンズとタモリ、そして熊本県PRマスコットキャラクターのくまモンと俳優の北村一輝。

 舞台となったのは、加藤清正公をまつる加藤神社の境内。熊本城近傍の名所として知られるビュースポットだけに、当日も大勢の観光客が撮影の様子を見守る中、そうした状況にも慣れた様子の出演者たちは集中力を切らすことなくそれぞれの芝居に没頭していた。

 撮影前、地震前後の熊本城の写真や映像を見比べながら、「この城はいつごろ建てられたんですか?」「修復が完成するのは何年後ですか?」とスタッフを質問攻めにしていたジョーンズ。本番中、いつも以上に監督と真剣な表情でディスカッションする姿から、日本の伝統文化をこよなく愛する思いと、震災からの復興を願う強い気持ちが伝わってくる光景だった。

 また、昨年4月の震災前にテレビ番組のロケで熊本城を訪れていたタモリもニュースなどで推移を見守っていたという。「実際に来てみると全然違いました」と、熊本城のみならず市内にもまだ数多く残る地震の爪痕を目の当たりにし、心を痛めた様子だった。撮影後、自ら共演者であるくまモンに抱きつき、「一日も早く熊本城が元の姿を取り戻しますように。頑張れ、くまモン!」と温かいエールを送る一幕もあった。

 CMの中で北村演じる加藤清正が家臣と新しい熊本城を造る相談をしているシーンでは、石垣の高さは通常10間(約18m)だが、「15間(約27m)はいるぞ」と新しい発想を城造りに取り入れている様子が。また、槍で天井を一突きするシーンでは、北村が繰り出す槍の風圧でロウソクがバタバタと倒れたほか、家臣役との距離が意外に近く、撮影後に「槍が当たらないかヒヤヒヤしました」と明かした。

 大の日本好きで知られるジョーンズは、日本の伝統的な衣装を着ることに、俳優として無上の喜びを感じるという。それだけに今回の撮影で演じた忍者の衣装にもすっかりテンションが上がったようで、「お似合いですね」というスタッフの言葉に、とびっきりの笑顔で「サンキュー!」と応じた。

 北村は今回のCMの中で戦国時代にタイムスリップするシーンが描かれているが、もしタイムマシンがあったら過去と未来どちらに行きたいかという質問に対し「過去ですね。未来は自分で作っていくものなので、あまり見たいと思わないし、知っちゃったら面白くないというのが一番の理由です」と前向きなコメント。

 また、今回の舞台となる熊本の印象や思い出について問われると、「大河ドラマに出演した時、ちょうど熊本がスタートで、決起集会をやった思い出がありますね。そこで出会った街の人たちも、頑張れよって感じですごく盛り上げてくれて、熊本にはその時のいい印象が残っています。知り合いもたくさんいて、今はものすごく大変な時期ですが、今回のCMやほかの作品とか、いろんな形で少しでも復興のお役に立てればという思いです」と、熊本復興の思いを明かした。

関連記事