「1歳を過ぎたら、さぁ、お父さんの出番や。子どもが12歳になるまで自分の時間はないものと思ってや」、坂本さんはこう声かけをします。

これは一体どういう意味でしょう。同書から解説します。

1歳までの子どもに必要な愛情とは、お母さんと子どもが密着した「癒着の愛情」で、これが1歳になって子どもが歩くようになったら、今度は、「分離の愛情」が必要となるのです。

1歳でもう分離なのかと驚かないでください。この分離の愛情を得ることで、子どもたちは自分の足で歩き、世間に出ていくことが出来るのです。

しかし、お母さんが分離を担当するのではありません。子どもにとってお母さんの愛情は、いつまでたっても癒着の愛情となってしまうそうです。そこで、世間との橋渡しのために分離の愛情を発揮するのがお父さんなのです。

「『分離の愛情』を発揮できるのは、お父さんしかいません。これから先、子どもが12歳の思春期を迎えるまで、お父さんは自分の時間を削って、子どもと遊んでください。それも、お母さんが眉をひそめるような遊びがいい(笑)。そのことが、家庭から世間への橋渡しになります」

出典大丈夫やで 〜ばあちゃん助産師(せんせい)のお産と育児のはなし〜

もし、お父さんが子どもと一緒に無茶な遊びをしていても、それは、お母さんにはできない「分離の愛情」の一つと捉えることが、両親にとっての役割分担が明確になって良いのではないでしょうか。

ご自身はいつまでも、癒着の愛情を発揮し、旦那さんに分離の愛情を担当してもらうとバランスが良いと思われます。それにしても、1歳という幼い年齢で自立しようとするなんて、本当に子どもって逞しいですね。