つまり、シンプルにすることで“見える化”ができているので『え、私ってこれだけコンビニで買い物をしていたの?』とか頭が自然と動き、『それなら、こうしてみれば節約につながるかな』というような、自分の行動を変える方法をみつけることがどんどんできてくるんですよ。

そうやって毎日ほんの少しの時間でも、立ち止まって考える、という習慣こそが家計見直しで最も重要なことなのです。

ちなみに『家計ノート』の場合は、金額を書く項目が、食費、日用品、医療費などシンプルな項目でざっくり記載できるようになっています。

さらに、食費については2段に分かれているので、上にスーパーの買い物を書き、下に外食を書き込むようにすれば、一瞬にして自分がどれだけ外食をしているのか、ということまで把握でき『今月は外食しすぎたな…』とかすぐに頭の中で考えることができてしまうのです。

家計ノートの場合は、家計のお金の流れを把握するだけでなく、自分がこれまで気づいていなかったような自分の行動パターンまで知ることができたりもするわけです。」

2: 手書き家計簿で脳トレができる!

――なるほど!確かに、結局スマホのアプリなども細分化されて表示されるので結局見返さないことが多いです。

細野さんの『家計ノート』はノートのように書きやすいというか、非常にデザインもシンプルで見やすいですが、やはり家計簿初心者のかたの購入が多いのでしょうか?

細野「そう思いますよね(笑)。

家計簿というのは、習慣で、なかなか別の家計簿に変えるというのは難しいのでは、と僕も当初は思っていたのです。だから、この家計ノートは初心者が多いのかな、と。

ところが実際には、今まで何十年も他の家計簿を使っていた主婦の方や、高齢者の方もとても多いんですよ。

これまでの家計簿は細かく書きすぎて効果が見えづらかったけれど、ざっくり書ける『家計ノート』に変えたことによって効果が見えやすくなったという声が多いですね。

また、『家計ノート』を使っている高齢者の方からいただく手紙で興味深いのが『家計簿を続ける習慣ができて、毎日、手を動かしたり計算をしたりするようになったので物忘れをしにくくなった』というものです。

一時期、脳トレって流行りましたよね? あれって確かに脳のトレーニングにはなるのですが、やはり『流行り』なので、継続性がないんですよ。

脳トレは継続しないと意味がないので、図らずも家計簿を手書きでつけることが、自然と続けられる脳トレになっているわけですね。

実は今、日本は、医療の分野で世界からとても注目されています。かつてないスピードで超高齢化が進み、今では世界一の高齢化率の国である日本が、これから世界で深刻化する認知症などにどう対応していくのか?という問題の解決方法を世界が見ているんです。

そんな中、この高齢者の方たちから多く寄せられている声というのは、手書きの家計簿が『日本が世界に誇るべき継続性のある脳トレのツール』であることを示していると感じます。」