販売好調なビデオ関連ソフト、2016年のシェアNo.1はサイバーリンク

「アクションカム」と呼ばれる小型・軽量のデジタルビデオカメラや、全方位の360度パノラマ写真が撮れる全方位カメラが注目を集めている。スマートフォンでは撮れない風変わりな動画は、そのまま見ても十分に楽しめるが、ユーザーの間で、作品に仕上げ、ホームビデオとして楽しんだり、SNS上で公開したりといったニーズも膨らんでいるようだ。

ビデオ関連ソフト 2016年の年間シェアNo.1はサイバーリンク

その証拠に、全国の主要家電量販店・ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、2016年のビデオ関連ソフトの販売本数前年比は109.4%と、好調だった。PC本体やPCソフト全般の売れ行きが低迷するなか、カメラのトレンドの変化をいち早く取り込み、順調に成長した。

「PowerDirector」シリーズなどを展開するサイバーリンクは、「BCNランキング」をもとに、ジャンルごとに年間販売数量No.1企業を表彰する「BCN AWARD」の「ビデオ関連ソフト部門」を2年連続で受賞。活況なビデオ関連ソフト市場で、16年は32.7%のシェアを占め、通算では4回目となる年間No.1に輝いた。

年間通じて首位を独走、新機能にユーザーも好反応

動画編集ソフト「PowerDirector」は15年にアクションカム、16年に全方位カメラに最適化したモードを搭載。サイバーリンクは、16年1月から12月まで首位を独走し続け、累計でもトップに立った。ニーズにいち早く対応する「新しい技術・需要への対応力」はもちろんだが、ユーザー目線の細かい配慮も支持を集める要因になった。

ただ単に対応するのではなく、新しいタイプの動画も、通常の動画と同じような使い勝手で作業できるという点がポイント。動画編集に慣れていないユーザーでもトライしてみようと思わせる訴求は、新規ユーザーの獲得につながったようだ。

通常の編集機能でも、さまざまなエフェクトを簡単に合成して動画を効果的に演出できるブレンドモードや、映像を画像やテキストの型で切り抜いて動画内に合成するマスクデザイナーを新搭載。よりリッチな動画を手軽に制作できるようになった。

動画再生やライティングソフトも次世代仕様 トレンドの変化をキャッチアップ

動画再生ソフト「PowerDVD 16」やライティングソフト「Power2Go 11」も、次世代に見合う進化を遂げている。「PowerDVD 16」は今回から「TVモード」を搭載。PCに保存したメディアを大画面のテレビで見るという新しい視聴スタイルを提案している。スマホをリモコン代わりにすることで、快適な視聴環境を構築可能だ。また秋には、無償パッチで全方位動画にも対応した。

「Power2Go 11」は、Blu-ray/DVD/CDへのデータディスク作成だけでなく、家庭用プレーヤーやレコーダーで再生可能なBDMV/AVCHD形式のディスクオーサリングに対応。ファイル変換する際には、機種を識別し、自動でプロファイルを設定するので、意識しなければいけない工程が減り、作業はぐっと簡単になった。

より高画質な次世代規格「Ultra HD Blu-ray」にも対応する製品も今後リリースを予定する。「Ultra HD Blu-ray」対応のレコーダーやソフトは徐々に増えており、感度の高いユーザーは、早くも心待ちにしているかもしれない。

映像関連のトピックに事欠かない現在、ビデオ関連ソフト分野は引き続き、ホットなジャンルとなるだろう。17年もサイバーリンクの一歩先を行く取り組みや新製品に期待がかかる。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます