剝皮辣椒雞肉鍋(ボーピーラージャオジーロウグォ) 台北

トウガラシ入りなのに甘くて食べやすい剝皮辣椒雞火鍋。やみつきになる旨さ

名前にも辣椒(トウガラシ)とあるので、よほど辛い鍋かと思いがちだが、実は甘みの強い、それでいてさっぱりとした薬膳鍋だ。

台北「川巴子」のそれは台湾東部、花蓮の名産であるトウガラシの漬物と鶏肉を煮込んだもの。トウガラシだけでなく、乾燥シイタケ、ショウガなど、漢方食材として欠かせないアイテムをプラスした単純な鶏鍋なのだが、甘みの強いスープのなかにトウガラシの辛さがわずかに残っていて、やみつきになる人も多い。

トウガラシは辛いので通常は大量に食べることはないが、実はビタミン類や食物繊維、ミネラルなどが非常に豊富に含まれている。

「川巴子」のトウガラシは甘く漬けこまれて辛さが和らぎ、清涼感だけが残っているので、鶏肉とともにたくさん食べることができる。

 

川巴子(チュアンバーズ)
台北市復興南路一段144號 TEL 02-27765011
11:00~22:30 無休

烏骨雞養生火鍋(ウーグージーヤンシェンホォグォ)

大鍋から取り分けられた烏骨鶏(台湾の企業の忘年会で出されたもの)。多くの漢方材料が入り混じった複雑な旨味が味わえる。台北の専門店としては「烏雞屋」が有名

烏骨鶏は日本では高級食材だが、台湾ではわりと一般的に食べられている。通常の鶏肉よりはやや高価だが、朝市などでふつうの鶏肉とともに売られているのをよく見かける。

烏骨鶏はふつうの鶏肉に比べてアミノ酸や鉄分が豊富。特別な日の食卓や、女性の妊娠・出産時にもよく食べられている。

大きな鍋で50種類以上の漢方素材とともに煮込まれることが多く、複雑ながらも甘みの強い濃厚なスープが特徴。クコの実やシイタケなどもよく使われる。

鶏が黒いので見た目はいいとは言えないが、その肉は淡白で食べやすい。米酒(米焼酎)が入る場合も多いので、じっくりと煮込んだほうが味がまろやかになる。

 

烏雞屋
台北市市民大道四段137號 TEL:02-25772288
18:00~01:30 月曜休

フォトギャラリー台湾独特の火鍋7選を写真でじっくり見る
  • 見上げるような煙突が付きだした鍋にたっぷりの酸白菜と豚肉が入る
  • オフィス街のランチタイムでも人気のお一人様用の迷你火鍋(ミニホォグォ)
  •  あらゆる海産物がぜいたくに使われた海鮮鍋
  • 佐料コーナーでつくった沙茶醤のタレ
  • 人気の秘密は新鮮な牛肉。赤味なのにやわらかい

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。