吉田鋼太郎  撮影:石阪大輔 吉田鋼太郎  撮影:石阪大輔

吉田鋼太郎が、エルトン・ジョン音楽、トニー賞受賞ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』で、主人公ビリーのお父さん役を務める。独特な役作りから魅力の吉田に、作品に対する思いを聞いた。

ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』チケット情報

お父さんとはどのような人物ですか。
「イギリス北部の炭鉱町に生まれ育った昔気質の男。階級社会が残るイギリスで、自分の敷かれたレールの上をひたすら歩いてきた人。歌の中で、お父さんは自分が15歳で組合に入り、そこで生きていくしかなかったと吐露します。彼の中で忸怩たるものや不甲斐なさがある。それでもバレエをやりたがる息子ビリーに、自由にやれとは言えない。その葛藤が上手く出せればと思います」

男子がバレエをやることに偏見があるのも、今時なテーマかと。
「お父さんは男性の象徴であるボクシングを盲目的に素晴らしいものと思ってきましたから。しかし「Electricity」でビリーが懸命に踊る姿を見て、自分とは違う表現の方法があることに目覚める。そこがグッとくるところですね。お父さんの中に大きな変化が生まれるところが、この物語のダイナミズム」

「Electricity」では、受けの芝居が要求されますが。
「受けの芝居は好きですよ。相手役の受けの芝居が上手いと、芯に立つ人は気持ち良くできるのを知っているから。かつて山内圭哉くんに『お前の好きなプロレス見てみ。投げられる奴が上手いと、投げるほうも上手く見える。お前がちゃんと受けといたら、相手も光るしお前も目立つ』と言ったらしくて。覚えていないけど、後から『感動して泣きました』と言われました(笑)。つまり受け芝居は大事です!」

「ビリーたちには、お会いになりましたか。
最終オーディションに向けてバク転の稽古中に、ちらっと。あまりに上手なので、前からできたのかと聞いたら、猛練習してできるようになったと。目をキラキラ輝かせて一生懸命取り組んでいて、尊敬します。僕は、人に指図されるのが大嫌いで、「やれ!」と言われたら、逃げ出す子供だった(笑)」

最後に、メッセージをどうぞ。
「どんな時代でも自由は絶対の権利で、自由に向かうことは誰にも止められない。それが人間が生きる上で一番大事だと、この作品は語っています。このテーマを歌と踊りで面白おかしく見せるのではなく、僕らは真摯に誠実に芝居を作っていくので、ぜひ観ていただきたい。願わくば、希望を見つけていただけたら嬉しいです」

舞台は7月19日(水)より、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。

取材・文:三浦真紀

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