『メリダとおそろしの森』(C)Disney/Pixar All rights reserved.

ディズニー/ピクサーの最新作『メリダとおそろしの森』が21日(土) から日本公開される。これまで数々の名作、ヒット作を世におくりだしてきたディズニー/ピクサーは、本作でも新たなチャレンジに挑み、これまでにない物語と世界観を描きだしている。そこで、本作と今までのディズニー/ピクサー作品の魅力を、日本で宣伝プロデューサーを務めるウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の百合草太郎氏に聞いた。

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本作の主人公は、弓と乗馬が好きなおてんばな王女メリダ。女王でもある母エリノアとケンカが絶えないメリダは、森の奥深くに足を踏み入れ、太古から続く森の魔法を目覚めさせてしまう。映画は、森の魔法によってクマに姿を変えられてしまった母親エリノアを救うため、仲間の力を借りながら森の魔法を解いていこうとするメリダの姿を描く。

本作はディズニー/ピクサーにとって初の女性の主人公、そして初めて森と王国を舞台にした作品だ。「この映画に登場する森は、スコットランドという設定を与えられてはいますが、“喜怒哀楽”のある森なんです。そして、その表情はメリダという女の子の心持ちによって変化する。彼女が森で遊んでいる時は、明るい表情を見せるし、メリダの心の中に暗い部分が生まれると怪しい森になる。その表現こそがディズニー/ピクサーの新しい挑戦だと思います」。

キャラクターの心情に寄り添うように表情を変えていく森。だからこそ、この映画で観客が見る森は、それぞれが違った風景になるだろう。「たとえば『トイ・ストーリー3』は子どもがオモチャを捨てる話ですが、観客それぞれがオモチャを捨てた経験があって、『あのオモチャはどうなったかなぁ』と思い出す。映画を観ているはずなのに、自分のことを思い出している。その時に映画は“自分のもの”になるんです。ディズニー/ピクサーのすごいところは何百万人が観ても、観客ひとりひとりが共感できる映画になっているところだと思うんです」。

そして百合草氏は『メリダとおそろしの森』も“観客のもの”になる映画だと語る。「この映画も観る人によって気になるポイントや、共感するポイントがみんな違うと思います。親とケンカをしたことのない子はいないですし、自分が親になればまた違った見え方もしてくる。これまでディズニー/ピクサーはオモチャや魚やモンスターを主人公にしていながら、常に“人間”を描いてきました。そこは本作でも変わらない部分だと思います。今回は“家族の絆”を描いていますが、ディズニー/ピクサーが人間の女性を主人公にしたのは、これまで以上に人の心の成長にダイレクトに入っていこうと思ったからだと思うんです」。

公開時に人気を博すだけでなく、長きに渡って愛され続ける作品が多いのもディズニー/ピクサー作品の特徴だが、『メリダとおそろしの森』もこれまでの作品同様、観客の体験を引き出し、観客の記憶と共に生き続ける映画になるのではないだろうか。

『メリダとおそろしの森』
※同時上映『ニセものバズがやって来た』『月と少年』
7月21日(土) 2D/3Dロードショー

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