『ビューティフル・ストーリー』(『月面兎兵器ミーナ』ED主題歌)

『月面兎兵器ミーナ』は、フジテレビで放映されたドラマ版の『電車男』(もう、このキーワードの時点で圧倒的なノスタルジー!)に登場した劇中劇をベースにしたメディアミックス企画。

そのアニメ版でエンディング主題歌に使用されていた曲が『ビューティフル・ストーリー』でした。

歌うは、アニメの中で主人公「月城ミーナ/佃美奈」を演じた井上麻里奈さん。そして、作詞・作曲を手掛けたのは、「Perfume」「きゃりーぱみゅぱみゅ」のプロデュースで知られる中田ヤスタカさんです。

この曲は、中田ヤスタカらしいサウンドに仕上がっており、ピコピコしたテクノポップに井上麻里奈さんの声が乗る声優版エレクトロポップアニソンであり、そのキッチュでオシャレな電子音は、当時のアニメファンに大きな衝撃を与えました。

Perfumeが公共広告機構のCMに使用された『ポリリズム』で、お茶の間レベルの人気を得る、そのほんの少し前に、中田さんの音楽ワークとアニメカルチャーがクロスオーヴァーを起こしたアニソン、声ソンの特異点です。

『片道きゃっちぼーる』(『ぽてまよ』OP主題歌)

ゼロ年代のアニソンシーンを振り返った際に、その時代性を物語る特徴の一つとして、パソコンの成人向け美少女ゲーム……所謂"エロゲー"出身の歌手による活躍が挙げられます。

KOTOKOさんや、川田まみさん、MELLさん、島みやえい子さんらを輩出した「I've」、佐藤ひろ美さんや榊原ゆいさんのような女性歌手、桃井はるこさんのユニット「UNDER17」などなど、ゼロ年代のアニソンを盛り上げた才能溢れるアーティストの名前を挙げ出すと枚挙に暇がありません。

この『片道きゃっちぼーる』を歌った「MOSAIC.WAV」も、美少女ゲーム文化圏と密接な関係にあったアーティストの一組です。

独創的な歌詞の数々を筆頭に、とことんテクノでポップなサウンドと「み~こ」さんの舌っ足らずなアニメ声ヴォーカルが織り成す楽曲の数々は、「電波ソング」の代表格として、コアな人気を得ました。

『片道きゃっちぼーる』もピコピコした音が可愛らしい、実にMOSAIC.WAVらしい一曲。当時のアキバカルチャーの熱狂的な盛り上がりの思い出と共に、永遠に色褪せないエヴァーグリーンな名曲です。

空色デイズ(『天元突破グレンラガン』OP主題歌)

こちらも2007年の大ヒット作『天元突破グレンラガン』より、中川翔子さんが歌う『空色デイズ』。こちらも語るに欠かせない一曲でしょう!

『空色デイズ』は、中川さんの3枚目のシングルであり、ハードロックな曲調にチャレンジした楽曲です。それまでのアイドル歌謡路線から一点し、MV(ミュージックビデオ)での、ワイルドな衣装に身を包み、エレキギターを携えたしょこたんの姿も印象的でした。

何はなくとも疾走感が素晴らしいこの曲。ディストーションが効いたロックなギターサウンドは、ダイナミックなロボット戦がウリの『天元突破グレンラガン』のイメージにピッタリでしたね。

中川さんは、この曲で、この年の紅白歌合戦にも出場。2007年のアニソンとJ-POPを同時に代表するヒット曲です。