会見より。左から、ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン (C)日吉丸 晃/講談社「初恋モンスター」舞台制作委員会 会見より。左から、ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン (C)日吉丸 晃/講談社「初恋モンスター」舞台制作委員会

TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」が3月3日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロ及び囲み取材が行われた。

TEEN×TEEN THEATER『初恋モンスター』チケット情報

原作は、月刊誌『ARIA』(講談社)で連載の同名漫画(作:日吉丸 晃)。世間知らずのお嬢様高校生・二階堂夏歩と、外見は長身イケメン青年の小学5年生・高橋奏の恋愛を描くハイテンションラブコメディ。

ゲネプロ前に行われた囲み取材の冒頭では高橋奏(荒牧慶彦)が作文を披露。「ぼくの予想だと大成功すると思います。なぜかというと1か月くらいすごく練習をけっこうがんばったので、今日もみんなとがんばれると思うからです」など小学生らしい文章を読み上げた。脚本・演出の川尻恵太(SUGARBOY)は「荒牧くんの“初”座長公演、シェーンとゆうたろうくんは“初”舞台、『初恋モンスター』という“初”がついたタイトルと、初ものづくしです。個性豊かなメンバーで、見た目でも楽しめる、設定でも楽しめる、ストーリーでも楽しめる、歌や踊りもありますし、すべての面でどの角度からも楽しんでいただける。円形舞台ですし360度全方位な作品だと思っております」。

自身の役柄について荒牧は「最初は恋だと思ってなかった気持ちがどんどん夏歩に向いていく。甘酢っぱい“初恋”という感情の変化とか、小学生ならではの表し方とか、僕は奏の成長ストーリーだと思っていますので、そこが見どころです」、野口一男役のシェーンは「女装した耕太に恋しちゃうところにカズの性格が出てくると思います」、篠原耕太役のゆうたろうは「女装シーンはぜひ、まばたきしないで見てほしいです!」。

登場人物はそれぞれ強烈だが、ベースにあるのは外見も中身もイケメンな男の子とコンプレックスのある女の子の恋という少女漫画の王道ともいえるストーリー。ただそのイケメンが“小学生男子”ということで、素敵な告白シーン直後に彼女のためにピアニカを熱く演奏したり、恋の行方をフラフープ200回転への挑戦にあずけたり…投げられた球は小学生的発想を経由し、予想もつかない方に飛んでいく。

そんな漫画ならではとも言えるぶっ飛んだ表現が、芝居、歌、ダンスで鮮やかに再現されていて驚いた。小学生役キャスト達の小5男子ぶりは圧倒的でそれ故笑える要素もたっぷりだが、その中でも、奏の素直さゆえの甘い言動に悶絶させられたり、子供ならではのピュアでシンプルな想いにハッとさせられたりと、2時間の間に色とりどりの感情が味わえて楽しい。細部までこだわられた世界にギュッと詰めこまれた笑い、ときめき、真理、おバカな下ネタ、そして大きな愛が「初恋モンスター」の魅力をポップにみせてくれた。

公演は3月12日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて。

撮影・取材・文:中川實穗