サービスを統括するセラーサービス事業本部Amazon Launchpadシニアカントリーマネージャーの徳永裕之氏

1月18日にスタートしたスタートアップを支援するグローバルプログラム「Amazon Launchpad」。特設サイトでは、すでに多くのスタートアップによる商品が販売され、活況を呈している。Amazon.co.jpは、取り扱いアイテムを拡充すべく、これまでも矢継ぎ早に施策を展開してきたが、「Amazon Launchpad」には“ものづくり”に対する特別な思いがあるという。サービスを担当するセラーサービス事業本部Amazon Launchpadシニアカントリープログラムマネージャーの徳永裕之氏に、その真意を聞いた。

各国のスタートアップ事情がラインアップに色濃く反映

「Amazon Launchpad」は2015年7月に米国でスタート。日本での展開は9か国目で、従来のサービスと比較するとタイミングが若干遅いように感じる。徳永氏は「日本市場のプレゼンスが下がっているというわけではありません。国内のスタートアップの状況を見定め、このタイミングになりました。国の施策やクラウドファンディングなどの資金調達の仕組みが成熟し、日本でスタートアップを支援する環境が整ってきました」と、事情を説明する。

各国で取り扱う商品の特色が異なるという「Amazon Launchpad」。米国では食品やヘルスケア商品などが充実するが、日本ではIoTを中心とした家電系アイテムが豊富に揃う。海外からはAmazon.co.jpの「Amazon Launchpadストア」は、ユニークな商品が多いという声も挙がっているようだ。

Amazon.co.jpの「Amazon Launchpad」で勢いのあるカテゴリが、そのまま国内のスタートアップでホットなカテゴリという見方もできそうだ。

実は低い出品ハードル 裾野を広げることも重要な意義

「Amazon Launchpad」プログラムの根本には「スタートアップの成長を支援したい」という思いがある。スタートアップは、いかに魅力的な商材を持っていても、リソースが少なく、在庫管理や販路開拓、ブランディングなどに手が回らない。Amazonは販売だけでなく、これらの工程をサポートすることで、ビジネスとして成立するための道筋を示す役割を担う。

「Amazon Launchpadストア」への出品を希望するスタートアップは、Webサイトから必要事項を入力して申請する。厳しい基準が設けられているのかと思いきや、基本的に求められるのは以下の三点。販売製品がハードウェアであること、ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングで資金を調達できていること、即時もしくは注文から30日以内に日本の顧客に配送できること。ハードルは高くない。

「現在、世に出ているスタートアップだけでなく、ユニークなアイデアをもって、ものづくりをしている人はもっといるはずです。今回のサービスがスタートアップのハードルを下げ、事業を開始する足がかりになればという思いがある」(徳永氏)。スタートアップ自体の裾野を拡大することも、「Amazon Launchpad」の意義として捉えている。

顧客に新しいオンラインショッピングスタイルを提案

一般にECでは「キーワードを入力して『今』欲しいものを検索・購入する」というパターンが圧倒的に多いが、「Amazon Launchpadストア」は、こうした従来の指名買いではなく、「欲しいと思っていた以外の商品も目に入る、よいと感じた商品はお目当てでなくてもクリックしてみる」というウインドウショッピングのような買い物スタイルを可能にしている。

ストアの商品一覧ページを見れば、その意図は一目瞭然だ。通常ストアではカテゴリに分かれて商品が並んでいるが、「Amazon Launchpad」では、家電の隣に衣類、上には文具、といった具合に各ジャンルの商品が混在している(カテゴリ別での表示も可能)。また、一覧ページ内で商品の動画に直接アクセスできるのも「Amazon Launchpad」ならではだ。

まだ、サービス開始から1か月程度だが、すでに出品者からの問い合わせは多く、ユーザーの反応も良好とのこと。海外販売のサポートも視野に入っており、しばらくは頻繁にアップデートがありそうだ。スタートアップの活性化はもちろんだが、AmazonがECサイトの新しい可能性を模索する試みとしても注目していきたい。(BCN・大蔵 大輔)

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