声優とアーティストの両面で活躍している2人組ユニット「everying!」。木戸衣吹さんと山崎エリイさんが、2017年11月に“卒業”すると発表され、多くの声優ファンに衝撃を与えました。筆者も、そのニュースを目にした瞬間に、大きな動揺と言い様のない寂寥感に襲われたアニソンリスナーの一人です。

正直にいえば、イチファンとして感情のバランスは、まだまだ「寂しさ」に傾いたままなのですが、これも、声優として、アーティストとして、お二方が更なる前進をする為に下した決断したことなのでしょう。everying!のラストと、その旅立ちをシッカリと見届けたいと思います。

everying!の持ち味がタップリ味わえる、ちょっと変わったポップチューン

そして、「卒業」のその日まで、everying!の素晴らしさを広めるのもファンの義務……ということで、謎の使命感に駆られて、今回のコラムでピックアップする楽曲はアニメ『にゃんこデイズ』の主題歌『にゃんこ is LOVE!』(正確な表記は、"O"がハートマーク)です。

この曲は、木戸さんと山崎さんも主役の「まー」と「しー」役で出演しているショートアニメ『にゃんこデイズ』の主題歌に起用されている楽曲です。

フルサイズでも30秒、テレビサイズがフルサイズ。更に、配信限定というちょっと特殊な形態でリリースされた曲ではありますが、その短さ故に、このユニットの持ち味が明快な形で凝縮されたナンバーでもあります。

木戸さん、山崎さんの歌声が、もう犯罪級に可愛らしく、この「ティーンエイジャーの女の子が持つ可愛さを全力で楽曲にぶつけた結果、生まれる圧倒的なポップ感」こそが、この娘たちの魅力なんだよなぁ、と改めて思わされます。

"可愛い"という情感を、そのままメロディと歌に昇華したら、それがそのままeverying!の音楽になるのではないか? そんなことまで考えてしまう程の愛らしさがここにはあるのです。

作詞、作曲、編曲を手掛けているのは、アニメ、アイドルファンには、すっかりお馴染みの前山田健一さんです。前山田さんらしいハイテンションでかしましいメロディとeverying!のチャーミングな歌声が最大の魅力となっているこの曲。曲が始まる直前に入るビブラスラップの「カーーーッ!」という音もインパクト大で、「あっ!」という間に駆け抜けていくスピード感の中に、「楽しい」と「可愛い」が詰め込まれたナンバーです。

その特殊なリリース形態と元ネタになった楽曲にも要注目!

ジングル的なニュアンスが強い『にゃんこ is LOVE!』ですが、実は、この曲には元ネタがあります。それが、『What is LOVE?』(こちらも、性格な表記は、"O"の部分がハートマーク)です。

『What is LOVE?』は、今年リリースされたeverying!のファーストアルバム『Colorful Shining Dream First Date』の収録曲。この曲のサビをアレンジし、『にゃんこデイズ』の作品性に合わせて歌詞の一部を改編することで誕生した曲が、『にゃんこ is LOVE!』なのです。

つまり、この曲はアニメ主題歌であると同時に、一風変わった形での「アルバムからのシングルカット」という意味合いもあります。とても、おもしろい試みですし、ユニットのプロモーションとしても、そのキュートな立ち位置が際立つユニークな一工夫に思わず頬が緩んでしまいます。

ちなみに、オリジナルの『What is LOVE?』は、「ちょっぴり二次元コンプレックス気味な女の子の視点から綴る恋に恋するラブソング」といった趣の曲で、こちらも前山田さんの感性が存分に発揮された名曲です。

木戸さんと山崎さんというアニメファンから注目を集める女性若手声優二人が組んだユニットとして、アニソンシーンで快進撃を続けてきたeverying!。

チアフルな楽曲の数々と、思わず見守りたくなるような「皆の妹」的な佇まいで、幸福感を与え続けてくれた期待の若手声優アイドルユニットによる"卒業"のアナウンスは、ただただ寂しくはありますが、お二方が卒業を迎えるその日まで、筆者は全力で応援する所存です!

『にゃんこ is LOVE!』は、各音楽配信サイトにて好評配信中です。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。