『歌え! 愛の公約』(『アイドル事変』)

ロックな曲の次は、"アイドルソング"からも、冬アニメのオススメ楽曲を紹介させていただきます。

「SMILE X」(正式表記は、「SMILE」と「X」の間にハートマーク)による『歌え! 愛の公約』は、『アイドル事変』の主題歌。何と、超人気音楽プロデューサーのつんく♂さんが製作に参加した楽曲です。

SMILE Xは、『アイドル事変』に出演されている女性声優陣によって結成されたアイドルユニットなのですが、その曲をつんく♂さんがプロデュースするというだけでも話題性としては十分。当然、「アニメ声優」と「つんく♂楽曲」という組み合わせの目新しさだけではなく、その出来栄えもハイクオリティな一曲となっています。

打ち込みによるアッパー系のトラックと、多くのアイドルユニットをプロデュースしてきたつんく♂さんらしい、ユニゾンをフルに活かすことができるメロディーライン、そして、可愛らしい合いの手……と、成る程、実に"らしさ"を感じる楽曲です。

「アイドル×政治」という、良い意味でぶっ飛んだ作品コンセプトに合わせて、「与党野党」「派閥」「人気、景気、ヒエラルキー」といったキーワードを織り交ぜた歌詞もオンリーワンな魅力に溢れています。

どんな単語も自分の音世界に取り込み、ポップソングの歌詞へと作り変えてしまえるのが、つんく♂さんの凄さです。作曲家としては勿論のこと、作詞家としてもずば抜けた才を持つつんく♂さんの作家性は、ここでも爆発しています。

『ヒャッコ』のオープニング曲だった『スッピンロック』や、『極上!!めちゃモテ委員長』での各種主題歌など、"アニソン"の世界でも優れたナンバーを残しているつんく♂さんですが、この『歌え! 愛の公約』(と、同じくプロデュースを務めたエンディング主題歌の『Respect』)を聴いていると、アニメファンとして、そして、アイドルファンとしても、更に沢山のつんく♂プロデュースによるアニソンを聴きたくなってしまいます。今後の活動にも期待大です!

『オリジナル。』(『亜人ちゃんは語りたい』)

以前、当連載コラムでもピックアップさせていただいた「TrySail」の『オリジナル。』ですが、今回は、フルサイズの音源を聴いた上で、改めて本曲への感想を綴らせていただきます。

先ず、初めに言わせてください。やはり、この曲は傑作です! 極々、シンプルな賛辞の言葉で表現をさせていただきます、『オリジナル。』は、ただただ素晴らしい。

TraySailは、メンバーである麻倉ももさん、雨宮天さん、夏川椎菜さんの歌声や歌唱力に、それぞれのシッカリとしたキャラクターを感じられる声優ユニットです。その為、"歌"の存在が際立っており、言葉が、声が、ストレートに胸へと飛び込んできます。

『オリジナル。』では、ソロの歌唱パートと、ユニゾンを活かした合唱パートの構成も巧みで、ユニットの持ち味がとても明快にリスナーに提示されています。

そして、美しいアンサンブルで綴られるのは、岡田麿里さんによる歌詞世界。また、この歌詞が非常に良い。岡田さんらしい、センシティヴで、傷付きやすく、しかしがら、純な思いだけで一方向へと突き進んで行けるような情熱と力があります。

それは、一言で言えば「青春」です。青臭くて、瑞々しくて、そして、何よりも美しい青春の風景なのです。

TrySailの歌声と、岡田さんがリリックという形で描いた物語、そして、それらを美麗な楽曲としてまとめ上げるミトさん(クラムボン)のメロディ。「歌」「詞」「曲」、音楽を形作る三つの要素が、何れも高いレベルで形作られ、見事に調和している。それが、『オリジナル。』の魅力へと繋がっています。そうした曲を前にして、やはり、自分はただただ素晴らしいと唸らざるをえないのです。