左からフジテレビジョンの大多亮常務取締役、日本マイクロソフトの平野拓也社長

日本マイクロソフトは3月29日、フジテレビジョンと共同で記者会見を開催。新しい動画視聴体験を提供するクラウド/AI(人工知能)技術で提携すると発表した。

今回、連携の第一弾として発表したのは、2017年1月16日に立ち上げた動画投稿サイト「DREAM FACTORY」。アーティストやパフォーマー、クリエイターが投稿した動画をコミュニティごとに再生数ランキングで表示するサービスで、次世代の才能を発掘することを目的とする。

フジテレビは、24時間総合編成のインターネット有料チャンネル「フジテレビONE/TWO/NEXTsmart」で、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を採用している。

フジテレビジョンの大多亮常務取締役は「以前から縁があり、今回の提携に至った。フジテレビとしては、日本だけでなく世界で活躍するスターを生み出したいという思惑がある」と「DREAM FACTORY」にかける思いを語った。

Microsoft Azureを採用したのは、他にも理由がある。決め手となったのは、セキュリティの高さとグローバル展開の可能性だ。「テレビ局という立場上、安全性を重要視している。マイクロソフトのAIなら権利侵害や公序良俗に反していないか、迅速に正確にチェックできる」(大多常務取締役)。

グローバル展開の助けとなるのは、Microsoft Azureの自動字幕生成機能だ。「DREAM FACTORY」では7月1日に、この機能を実装予定で、日本語・英語・中国語・スペイン語・フランス語の5か国語に順次展開していく。Microsoft Azureは、将来的に最大9か国語対応を目指すという。

日本マイクロソフトの平野拓也社長は「マイクロソフトの使命は『地球上のすべての個人と組織がより多くのことを達成できるようにすること』だ。これはフジテレビが今回提携する『DREAM FACTORY』の次世代のアーティストにチャンスを提供したいという思いと重なる」とコメント。

「さまざまなコンテンツからAIが日本語を学習し、日本語の認識率や顔認知技術による肖像権チェック、映像モデレート技術による成人向けコンテンツの自動排除処理、自動翻訳、索引付けなどの機能向上につながることを期待している」と、プラットフォーム提供サイドのメリットを示した。

Microsoft Azureの「Cognitive Services」は字幕や翻訳だけでなく、顔認識やモザイク補正、要約機能なども備えている。発表会では機能のデモンストレーションを実施し、各機能が直感的なインターフェースでスピーディに作業できる工程を示した。例えば、字幕は動画の音声に合わせてリアルタイムで生成される。そして、指定言語を切り替えれば、シームレスに翻訳されるので、タイムロスがほとんど発生しない

当初、「DREAM FACTORY」では自動字幕生成機能のみ実装するが「他機能も非常に優れていて、動画視聴・制作がまったく新しい体験になっていくのではないかという気がしている」と、大多常務取締役は今後のアップデートにも意欲をみせる。

平野社長によると、業務提携の第2弾、第3弾についてはまだ具体的な案は検討していないとのことだが、AIのさらなる進化のために実証の場を今後も拡大していく考えだ。(BCN・大蔵 大輔)

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