藤田直之(ヴィッセル神戸) (C)J.LEAGUE PHOTOS 藤田直之(ヴィッセル神戸) (C)J.LEAGUE PHOTOS

唯一の4戦全勝――ヴィッセル神戸の力は本物か。今季の重要な試金石と言えるカードが今週末組まれた。『明治安田生命J1リーグ』第5節で浦和レッズをホームで迎え撃つのだ。

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昨季神戸は『2ndステージ』2位に躍進。3季目を迎えるネルシーニョ監督のもと、FW田中順也、2列目の大森晃太郎、ボランチの高橋秀人、CB渡部博文と確かな実力者を補強。夏には今季の目玉と言えるポドルスキが加入する。ポドルスキは先週のイングランド代表戦でドイツ代表から引退したばかり。しかも代表130試合目で決勝弾となる49ゴール目を決めた正真正銘のワールドクラス。初タイトル獲得に向けて、神戸は本気の姿勢を見せているのだ。

そんな中、神戸がスタートダッシュに成功。しかも、昨季得点王のレアンドロが開幕戦で全治半年の重傷を負ったにもかかわらず、だ。神戸の快進撃の要因は、堅い守備にある。相手ボールとなれば、2トップも自陣に下がり、強固な守備ブロックを形成する。ボランチにはボランチを当て、サイドに逃げれば2列目とSBで囲い込む。CBは対人で強さを見せ、GKはハイボールをことごとくキャッチする。4試合で1失点。オートマティックな守備の中心でボランチ藤田直之が睨みを利かせている。

なぜ、浦和戦が試金石となるのか。浦和はタイトルを狙う上で避けて通れないライバルだということもある。神戸のこれまでの相手は清水エスパルス、アルビレックス新潟、べカルタ仙台、ジュビロ磐田と恵まれた感もある。一方の浦和は、鹿島アントラーズと並ぶ優勝候補である。

それだけではない。2勝1分1敗とまずまずのスタートを切った浦和はリーグトップの10得点をマークしている。新加入したラファエル・シルバが5ゴールを量産すれば、興梠慎三と武藤雄樹もランキング2位タイの2ゴール。『ACL』でも3試合で11得点と爆発力を如何なく発揮している。神戸がJリーグ最強の盾ならば、浦和はJリーグ最強の矛と言える。神戸の堅守が浦和の攻撃をどれだけ封じられるかも注目される。

さらに理由がある。リーグ戦での直接対決で12勝5分17敗と負け越す上、昨季『2ndステージ』でショートカウンターから活路を見出すまで、浦和戦は5戦未勝利だった。『2ndステージ』第10節は2-1のスコア以上の完勝となったが、翌週に行われた『JリーグYBCルヴァンカップ』準々決勝では2試合合計1-6の完敗を喫した。ネルシーニョ体制後の浦和に対する苦手意識を払拭できるかも鍵となるのだ。

『明治安田J1』第5節・神戸×浦和は4月1日(土)・ノエビアスタジアム神戸にてキックオフ。チケット発売中。