ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“勝者と敗者” (C) 古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“勝者と敗者” (C) 古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」″勝者と敗者″が、3月24日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、須賀健太、木村達成、猪野広樹、遊馬晃祐、小波津亜廉、演出のウォーリー木下が登壇した。

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男子バレーボール(=排球)にかける高校生たちの姿を描いた古舘春一の同名大ヒット漫画を舞台化。2015年の初演からシリーズ3作目となる今作では、インターハイ宮城県予選を舞台に1年生の主人公・日向翔陽(須賀)が在籍する烏野高校と強豪・青葉城西高校の熱戦が描かれる。

今作の大きな見どころは、木村演じる影山飛雄、猪野演じる菅原孝支、遊馬演じる及川 徹らセッター(トスをあげる役目の選手)の活躍。そのため囲み取材で須賀は「初めてこの作品を俯瞰で見られる立ち位置で、日向として冷静にコートの外から見る瞬間があります。そこが面白く、楽しく稽古しました」と振り返る。烏野のセッターを担う木村は「セッターは常に“誰にトスを上げて1点を取るか”を考える生き物。どのタイミングで誰に上げるかも見どころです」、猪野は「菅原が入ることで烏野と青城(青葉城西高校)にどう影響していくのかを楽しみにして頂ければ」。青城のセッターを演じる遊馬は「二幕、三幕と進むなかで最後にはどちらが勝つかわからなくなる緊迫感を楽しんで頂きたい」、及川と“阿吽の呼吸”の相棒・岩泉 一役の小波津は「今作は過去のドラマもひとつの見どころ。岩泉と及川の過去、及川と影山の過去、及川のもうひとつの面が垣間みれるので、注目していただければ」。

須賀が「作品がひとつの協奏曲になっている」と話した通り、全三幕を第一楽章・第二楽章・第三楽章として上演された本作。“セッターはオーケストラの指揮者のようなもの”であることを軸に、天才の影山、センスもあるが努力を惜しまない及川、真面目で丁寧な菅原と、誰がセッターかによって変わるチームの空気が、音楽、そしてダンスでわかりやすく表現されていた。また、今作の舞台は3年生にとって最後になり得る試合。そのうえで描かれる過去、そこから生まれる熱い想い、だからこそ負けられない勝負…それぞれの物語を乗せた一戦が、演劇「ハイキュー!!」ならではの高い熱量によってまっすぐに客席に届けられた。

ウォーリー木下が「今まで『ハイハー』ぐらいでしたが(笑)、今回ようやく『ハイパー』に格上げしました。びっくりするようないろんな演出をやっております!」と話す新演出も見どころの本作は、3月26日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALLにて上演後、宮城、大阪、福岡、東京凱旋と巡演。5月7日(日)にはライブビューイングも実施。

取材・文:中川實穗