「PIP-Maker」を開発する4COLORSの加山緑郎代表取締役社長

小売りの現場で特売情報や新製品に関するサイネージ動画を見かける機会が増えている。顧客の目に自然に入る動画情報は、販売施策として有効な手段だが、一方で制作・管理に手間がかかるというデメリットもある。

4COLORSが開発する「PIP-Maker」は、まさにこうした現場の労力軽減に効果を発揮するソリューションだ。これまではオンラインセミナーやeラーニング教材の制作で活用されることが多かったが、3月30日に発表した「PIP-Maker for データベース」のターゲットは、商品マスタベースをもつ小売業者だ。

具体的にどのようなコンテンツを生成できるのか、生産性はどのように向上するのか。代表取締役社長の加山緑郎氏に、ソリューションの概要とその可能性を聞いた。

時間・場所・人のコストを大幅削減、「PIP-Maker」の仕組みとは?

「PIP-Maker」は、「Microsoft PowerPoint」の資料をベースに、設定したアバターが動画のテキストを読み上げる動画制作サービス。資料情報に「人(アバター)」と「音声」を加えることで、リッチかつ表現力の豊かなPR動画や商品説明動画、eラーニングコンテンツを生成することができる。

「人が資料を説明する」という趣旨の動画を実際に撮影するとなると、機材・場所・人・時間など、多方面でコストや時間が発生する。「PIP-Maker」は機材・場所・人といった物理的な制約がないのはもちろん、Web上で背景やアバター、読み上げる音声テキストを簡単に設定できるので時間もとらない。修正が必要な場合も、机上ですべての作業が完了する。

動画はHTML形式なので、データ容量が非常に軽い。加山氏によると「MPEG形式の約10分の1程度」だという。そのため、モバイルからの視聴でもあまり負荷がかからない。また、PowerPointのページごとに構成されているため、選択肢を表示してアンケート用途で活用することも可能。モバイルからのデータ編集・動画生成も5月頃に対応予定だ。