生活態度も悪くなり、夜中までだらだら起きて昼すぎまで寝てたり、
「流産の悲しみから立ち直れない」というていで仕事もあまりせず、
生理が来た日は「今月の妊活もダメで落ちこんでたから」と家事をサボってボケーっと寝ていたり…

『赤ちゃんが居なければ、
妊娠していなければ、
人生なにも楽しくないし、
意味がないんだ』

…くらいのことを真剣に考えてました。

そんな時に、旦那が真面目な顔で、
「もし今…うまく妊娠出来たとしても…Chaccoがお母さんになるのは不安がある」
とハッキリ言ってきました。

ワタシはカーッ!となって、売り言葉に買い言葉で
「そんなん、今のアナタがお父さんになるのもスゲー不安だけどっ!?」
とブチ切れてしましました。

しかし、夜中眠れずにモンモンと考えてたら、次第に冷静になってきて。

『普段、八つ当たりもしない旦那が突然あんなことをいうのは本当に心から思ったことなんだろうな…なんでこんな時に敢えてそんなキツイこと言ったんだろう…?』と思いました。

そしたら、
ワタシがイチバン子どもが欲しいと叫びつつも、「妊娠・出産」と真剣に向き合うほどに、傷つき、悲しみ、苦しんでばかりの毎日から『もう当分、赤ちゃんのこととか考えたくない』と目をそらしていた事に気づいたんです。

そもそもワタシは何でこんなに妊娠したいんだっけ?
それは大好きな旦那の子どもが欲しいからだよね?
でもそれで旦那とケンカばっかじゃ意味なくない?

子どもがいても、いなくても、旦那と一緒に幸せな人生を送りたい。
その為には自分は何をしたらいいんだろう?

ワタシはすぐさま紙とペンを用意して、自分の気持ちを整理しました。

そこに、書いたのは、

・旦那に八つ当たりするのをやめる。
・ちゃんと朝起きて、ちゃんと夜寝る。
・最低限の家事はやる。
・不育症の治療も、不妊症だった時の治療もお金がかかるので仕事を頑張る。
・よそはよそ、うちはうちの幸せを見つける。
・夫婦関係がイチバン大事だってことを忘れない。

…などなど、当たり前すぎてつまらない事なんですが、当時のワタシにとっては当たり前でありませんでした。

旦那とも、真剣に話し合い、
「ワタシへの信用が今、無くなってきてるかもしれないけど、これからは頑張るから。
この人なら子ども産んでも大丈夫だなって安心してもらえるように努力するから見ててね。」
と約束しました。

そこからは、「赤ちゃんをスグに妊娠すること」ではなく、
「旦那との信頼関係をしっかり作ること」に目標をチェンジしたんです。

そしたら、『不妊のプレッシャーでピリピリすること』が確実に減りました。
…というよりも、新しい漫画アシスタントの仕事を探したり、今までさぼってた家事をこなしたり、
土日はなるべく午前中に起きて夫婦でデートに行ったりと…
単純に忙しくなって「不妊」に対して頭を働かせる時間が無くなったのが大きかった気がします。

まだ『真剣に自分の不妊状態と向き合う』ことは気持ち的に出来ませんでしたが、
少し肩の力が抜けて、知人や芸能人の妊娠にも「いやあメデタイね~」とか言えるくらいに落ち着いたことは、ワタシの中で大きかったです。

カレンダーに生理予定日を記入して「ここあたりでワタシへこむかもしれないからギャーギャー騒いでも相手にしなくていいからね」なんて先に予防線を張ったり。
その甲斐あってか、旦那からは、「ええ~~?もしかしたら生理来ないかもしれないでしょ?そしたら楽しみだね!」と言ってもらえるようになりました。

その言葉がとっても嬉しくて、ずっと生活の支えでした。


このモンモンとしてギスギスして夫婦仲がぐらついた時期が、逆に『親になる気持ちの準備』を共有するひとつのキッカケとなったのは確かで。今では『あの不妊の時期があったからこそ今のワタシたちがあるのかなぁ…』としみじみ感じています。

 

つづく

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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