嬉しい! これまで何回も、何回も、飽きるほど私の同じ話を聞いてもらった「ミラチャイ」スタッフさんに、そう言ってもらえると、私、本当に、嬉しいッ!!
私本人も、上海に移籍するとか、大きな出来事はもちろん覚えているけど、その周りに散らばっている小さな出来事は、正直忘れてしまっていることもあって…。
まず冒頭から、「え!? 私、こんなこと言ってたんだ」って、当時の記憶がなくなっていたくらいだから(笑)
ーー冒頭は、上海行きを決意する年の“誕生日のエピソード”から始まります。
「誕生日プレゼントに何がほしい? 」って、事務所のスタッフさんに聞かれて、冒頭の言葉を言ったんです。でも、ああいう“言葉”を言っていた、22歳の宮澤佐江って、今より超〜大人だったなと思います。
今なら絶対に「あのブランドの、××がほしい」って、絶対に“モノ”を言っちゃうから(汗)
ーーページをめくるごとに、驚きがたくさんあるんじゃないでしょうか。
書籍の“はじめに”の部分でも言っているんですが、私は、もともと人に自分のことを話すのが苦手で。人に聞かれたら嬉しくてしゃべるけど、どっちかというと、人の話を聞く側が自分のポジションだったというか。
自分の話をするのは、家族以外に、唯一「ミラチャイ」だったんです。
約2年前にも、『涙の行方』というフォトブックを出させてもらいました。『涙の行方』は、私のある“ひとつの時期”に焦点を当てた素敵な作品だったけど、『これさえあれば。』は、それともまた違っていて。
「ミラチャイ」は連載だし、毎回1カ月ごとの取材を続けてきたから、起こった出来事の記憶が新鮮なうちに話をしていますよね。
ーーそれが連載の強みともいえますね。例えば、年末に「今年1年を振り返ってどうでしたか? 」と聞かれても、大きな出来事は覚えていても、“小さな記憶”は忘れてしまっていることも多いでしょうし。
そうそう。忘れてしまって出て来ない感情も、言葉として全部「ミラチャイ」には詰まってると思う。書籍を読んでみて私自身でさえ、とっても新鮮だったから、読んでくれる人も、きっとそう感じてもらえると思います。
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