子どもに対して、中長期的な視点を持つことが大切

——子育てにもディグラムは使えそうですね。

木原:ディグラムは長所や短所を客観的に把握できるので、子育てにも活用できますよ。

僕は、子どもを育てる上で大事なのは、子どもがピッチャー、親がキャッチャーになることだと思います。子どもがボールを投げやすいように、「ここだよ」と投げる場所を示してあげるのも親の役目ではないでしょうか。

例えば論理性が高い子どもの場合は、ゴールを先に伝える方が理解しやすいことが多いですが、逆のタイプの性格の子は先に道筋を伝えたり、感覚的に訴えるなど、その子に合わせた方法を見つけられるといいですね。

——親の性格によって、気をつけた方がいいことはありますか。

木原:例えば、自分にも他人にも厳しい完璧主義のタイプ(Z型II)の場合、自分で自分のルールが守れないとイライラしてしまうと思います。

僕がこのタイプの人にオススメしているのは「まいっか手帳」。例えば、しなくてはいけないと思っていたことができなかったときなど、イラッとしたらまず切り替えて「まいっか」と思いましょう。

そして、その出来事をノートに書いていきます。自分が何に対して「まいっか」と思ったのかを頭の中だけではなく、見える化して整理していくと、ネガティブな気持ちをラクにすることができます。

このタイプの人は論理性が高いので、全部頭の中で処理することができるんですが、敢えてそれを可視化することが大切なんです。

——子どものダメなところばかり目がいってしまうときは、どうしたらいいでしょうか?

木原:子どもに対して「何でできないんだろう」と思うのは、短期的な見方になってしまっているからだと思います。

僕はもともとマーケティングの専門ですが、例えば企業の活動はだいたい3年で計画を立てるのが普通です。最初の3ヶ月なんてうまくいくわけがない。子育てもそれと同じで、子どもが今算数ができないとしても、次の手立てがあれば動くことができますよね。

つまり、短期的な目標だけではなく、中期的・長期的な目標があったり、過去がどうあって、現在こうなっていて、未来にどうなりたいかというのがハッキリしていれば、現在の様子だけを見て焦ったりすることはなくなると思います。

やはり、大人よりも子どもの方が100倍くらい敏感なので、親が子どもにどう刺激を与えるかということが大切だと思います。

いかがでしたか。自分の性格はわかっているようで、気付いていないことも多いもの。まずは本書で基本的な性格をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。